将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2018年6月19日 (火)

6月8日に開かれた日本将棋連盟の通常総会

公益社団法人・日本将棋連盟の通常総会が6月8日に「けんぽプラザ」(東京・将棋会館の隣)3階で開かれ、東西の正会員(現役棋士・引退棋士・女流棋士)が出席しました。人数は委任状を含めて約180人でした。

冒頭で連盟会長の佐藤康光九段が挨拶した後、塚田泰明九段を議長、畠山鎮七段を副議長に指名し、拍手をもって承認されました。

恒例の新会員紹介では、斎藤明日斗四段、長谷部浩平四段、池永天志四段の3人(古森悠太四段は所用で欠席)が出席者たちの前に立ち並び、簡単に自己紹介しました。最後に何か一言を語ったのですが、今年はそれぞれがとてもユニークでした。

斎藤四段は「私がアマ三段の頃、師匠(宮田利男八段)と六枚落ちの手合いで指すことになったとき、負けるわけがないと思って《負けたら1億円あげます》と言ったら、師匠の目の色が変わってボコボコに負かされました(場内爆笑)」と語りました。

私は、若手棋士時代から同世代の宮田八段を知っていますが、駒落ちの上手はかなり強かったです。まあ斎藤四段は、1億円は何十年後かの「出世払い」にするといいでしょう。

長谷部四段は「私は《新手一生》の言葉で知られる升田幸三先生(実力制第四代名人)の直系の弟子であることを誇りに思っています。私には新しい手は指せませんが、自分の信じる一手で頑張ります」と語りました。

長谷部四段の師匠は大平武洋六段。その師匠は、升田門下の桐谷広人七段。それにしても、「新手一生」を語呂合わせで「信手一生」と言ったのは面白かったです。

池永四段は「奨励会に長くおりましたが(11年半)、これからは天使の跳躍で、歩の餌食にならないように頑張ります」と語りました。

中原誠十六世名人は桂を跳ねて攻めに使うのが巧みで、それは「天使の跳躍」と形容されました。池永四段は、自分の名前の「天志」を語呂合わせで「天使」と言いました。なお、実際の呼び名は「たかし」です。

昨年の通常総会は、「スマホ不正使用疑惑」の問題が尾を引いていて、重苦しい雰囲気が漂っていました。しかし今年の総会は、藤井聡太七段が昨年から大活躍したことで将棋ブームが巻き起こり、その好影響によって各部門の業績が好調でした。そんなわけで、穏やかな雰囲気で議事が進みました。

最後に、理事会から「会館建設準備会」が発足することが報告されました。そして、委員長に羽生善治竜王、委員に久保利明王将、糸谷哲郎八段、中村太地王座が就きました。

現在の東京の将棋会館は42年前の1976年(昭和51年)、関西将棋会館は37年前の1981年(昭和56年)に建設されました。両会館ともメンテナンスに努めているので、築年数の割りにはしっかりしています。しかし、いずれ建て直す時期がきます。それには多額の建設資金が必要です。そんな難題にどのように取り組むのか…。次回のテーマにします。

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コメント

田丸先生。お久しぶりです!
ブログの更新有難うございます。
今の新人は面白いですね(^-^)
挨拶は前々から準備していらっしゃるのでしょうか?
将棋会館の建設は大変そうです、将棋界に順風が吹いている今こその決断なのだと思います。
一ファンとして楽しみにしております。

投稿: フライドポテト | 2018年6月20日 (水) 14時24分

田丸先生いつもお疲れ様です。
報道では分からない連盟の空気など、情報だけでなく様々なことをお伝えいただけるのはファンとして大変嬉しく思います。

投稿: ずん子 | 2018年6月22日 (金) 19時37分

新会館は、将棋ブームが続いているうちに、寄付金集めるだけ集めたほうがいいですね。建設はあとになっても。
前回は大山15世が頑張りましたが、今回は羽生19世大変でしょうけど頑張ってください。

投稿: Lemon | 2018年7月 6日 (金) 23時30分

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