将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2015年12月31日 (木)

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

今年は10月から12月にかけて執筆の仕事が立て込み、ブログの記事の更新が滞ってしまいました。

時期が遅れましたが、10月4日に実施された第3回「将棋文化検定」の模様をお伝えします。検定は東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・広島の各地で行われました。過去2回の東京の会場は調布の明治大学の付属校でしたが、今年は池袋の立教大学に変わりました。検定委員を務める私は、東京の会場に出席しました。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

将棋文化検定はABCDの各コース(問題数はいずれも60題)があり、東京では2教室(AB・CD)に分かれて行われました。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

将棋文化検定を初めて受検した高見泰地五段。じつは立教大学の文学部史学科に在籍する4年生です。ゼミでは『源氏物語』の作品で知られる紫式部を研究しています。卒業論文は「将棋の歴史と変遷」をテーマにしました。

高見五段は最上級のAコース(1級・2級を対象)を受検しました。思った以上に難易度が高く、自己採点では正解は6割程度と予想しました。しかし84点(満点は128点)を獲得して2級に合格しました。なお90点以上だと1級に合格しました(今年の合格率は15%)。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

お天気キャスターの森田正光さんはCコース(5級・6級を対象)を受検しました。かなり苦戦したそうですが、78点(満点は120点)を獲得して6級に合格しました。まったくわからなかった問題は将棋連盟のマスコットキャラクターの名前で、①SHOちゃん②SHOきち③SHO太郎の三択のうち、自身が経営する気象会社に勤める社員と同じ名前の③と答えたら不正解でした。正解は①です。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

将棋文化検定の試験が終了した後は、各コースの受検者たちは同じ教室に集まり、トークショーで感想を語りました。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

トークショーで壇上に並んだのは、左から高見五段、連盟理事の佐藤秀司七段、お天気キャスターの森田さん、私こと田丸昇九段。

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

今年10月に実施された第3回将棋文化検定の東京・立教大学での模様

立教大学のキャンパスの光景。将棋文化検定にふさわしい落ち着いた雰囲気でした。

では、このブログの愛読者のみなさん、よいお年を迎えてください。

 

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コメント

~今後の文化検定~

田丸先生、
お世話になります。

この度、息子が受験させて頂き、合格を頂きました。
先ずは、ありがとうございました。

息子は検定自体をとても楽しみにしてきたのですが、
1級に合格するとその後がなくなってしまい、
寂しい気持ちがする、というような話をしておりました。

そして、
「もし、1級の人を対象とした”クイズ大会”
 などがあったら楽しいね」
という話になりました。

皆様が各コースを受験している時間に
ペーパークイズを行い、上位4名くらいが
検定終了後のトークショーの一部として
決勝大会を行う、
そんな話を冗談まじりでしました。

今回も、すでに1級を持っている方が
ご自身の力を落とさない為に1級を受験されて
いたと思います。
息子もその気持ちは判るようでした。

今後、1級合格後の人にも
何か楽しみがあるといいと思いました。

この度は、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。

           サカイ

投稿: サカイ | 2016年1月 2日 (土) 18時08分

明けましておめでとうございます。将棋文化検定ですか?狭いようで、広くもできるネーミングと始まった頃思いました。将棋の普及活動の一つととらえていますが、私自身は興味は薄いですね。これもありでしょう。サービス問題もあるようですね。( ^ω^ )①SHOちゃん②SHOきち③SHO太郎の三択。いろいろあって将棋が広まるのはいいことです。次の話題は例の叡王と電王との決戦ですね。その前に本物のタイトル戦もあります。将棋お宅には(私)忙しい日々になりそうです。里見さんはちょっと面白みに欠けます。女流では圧倒的に強いがでため息が出てしまいます。(超個人の意見)奨励会と女流はダブらせない方が私的にはいいと思います。女流棋士の価値観が問われそうです。今年もいろいろクレームに近い意見もコメントしたいものです。もうしていますね。今年も宜しくお願いします。

投稿: 東京散歩人 | 2016年1月 4日 (月) 12時11分

明けましておめでとうございます。第3回将棋文化検定が行われました。東京散歩人さんと同じ意見で、面白い企画ですが、あえて参加してみようという気にはなりませんでした。そこでふと思いつきですが、将棋段級位検定はどうでしょうか?雑誌、新聞、道場、大会での認定はありますが、統一的なものはなかったように思います。腕自慢が参加するのはいうまでもないことですが、自己流が所属なしで参加できるのはいいことだと思われます。道場などでの日頃の修練の成果を見るのもいいし、自己流でどれだけの力があるのかも面白そうな気もします。問題内容は連盟の専門部署で決めてもらえればいいのではないでしょうか。検定大会全体の企画もお願いしたいです。ご一考をお願いします。

投稿: 千葉霞 | 2016年1月 5日 (火) 11時39分

田丸先生 小林宏七段との対局勝利おめでとうございます。

将棋文化検定では3級に合格することができました。
試験の際の手応えからすると望外のことです。運に恵まれました。
次回はAコースを受験するつもりです。
今のままでは到底受からないので準備しようと思います。

試験後のトークショーで「良問が多い」との受験者の声がありましたが、私も同感です。
将棋会館のある「千駄ヶ谷」の由来など、間違えはしましたが文化検定らしい問題だと思います。
ルールは知っていても指さない、指せない私には、指し手の問題に難儀しました。
図面を見て囲いの名前を選ぶ問題は模擬試験にあったので正解できましたが、ダンスの歩の意味は間違えました。
逆に指す方にとっては知っていて当たり前なので、様々な受験者の得意分野を広く網羅しているとも言えます。
陣屋事件の対局が行われていたら使われるはずだった駒の種類はまるっきりのヤマカンで、将棋の歴史に関する知識の不足を自覚しました。
棋士・女流棋士のアマチュア時代の経歴に関する問題は将棋手帳を見ていたので対応できました。
将棋手帳のない方は連盟の記録ページか、ウィキペディアで予習しておくと良さそうです。

試験当日がショウギナデシコという女性団体戦と重なっていたためか、A・Bコースの教室に女性の姿が各1名ずつしか確認できないのが残念でした。
C・Dコースには女性がたくさんいらして、特にご家族で参加されている方が多かったのが嬉しい発見でした。
前回の受験会場では指導対局が行われていましたが今回はなかったので、復活希望です。それを目当てにした方を誘うことができるからです。
あとは過去問題や模擬問題をまとめた公式テキストの続編、発行を強く希望します! 試験前に読んでいる方をたくさん見かけました。

将棋文化検定の受験者が増えて、長く続いていくことを願っております。

投稿: 奥村 | 2016年1月13日 (水) 12時37分

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