将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2015年8月19日 (水)

10月に第3回将棋文化検定、渡辺大夢四段との対局、将棋連盟ホームページ上の記録

日本将棋連盟が主催する第3回「将棋文化検定」試験が10月4日(日)、東京・大阪・名古屋・札幌・広島・福岡の会場で開催されます。日本の伝統娯楽である将棋の文化的な一面を多くの人たちに知ってもらいたい、というのが趣旨です。私は第1回から検定委員を務めていて、問題作成などに携わっています。

試験の方式は第2回と同じです。Aコース(1級・2級)、Bコース(3級・4級)、Cコース(5級・6級)、Dコース(7級・8級・9級)と難易度によって分かれ、自由に選べます。合格者には認定級の合格証書が贈られます。

問題は各コースともに60題。将棋の歴史、公式戦の記録、棋士のエピソードなど幅広い内容です。すべて三択問題で、Aコースは四択問題と記述式問題も出ます。詰将棋や次の一手の問題は出ないので、棋力は問いません。

当日は各会場ともに午後2時30分から始まり、試験時間は60分です。棋士も一緒に受検し、試験後に棋士との交流イベントも行われます。なお東京の会場は池袋の立教大学で、前回(調布)よりも交通の便がいいです。

近年は、将棋の対局をネット中継などで楽しむ「見る将棋ファン」が増えています。将棋文化検定で将棋の知識力を上げると、さらに楽しめると思います。

受検の手続きなどについては、日本将棋連盟のホームページをご覧になるか、電話で連盟に問い合わせてください(東京・03-3408-6165 大阪・06-6451-7272)。申し込み期限は9月13日(日)です。多くの人たちが受検されることを願っています。

私は8月17日、王位戦で渡辺大夢四段と対局しました。対局場は東京・千代田区永田町「都市センターホテル」の和室(8月9日のブログ参照)。千駄ヶ谷の将棋会館が耐震工事中という事情によりますが、44年間の棋士生活において東西の会館以外で公式戦の対局を指したのは初めてのことでした(NHK杯戦などのテレビ棋戦は除く)。

その対局室は将棋会館の特別対局室より少し狭いですが、落ち着いた雰囲気があって盤面に集中できました。当日は稲葉聡・朝日アマ名人が藤井猛九段に挑んだ朝日杯将棋オープン戦の対局が隣で行われました。私が昼食(前回のブログ写真のビーフカレーを食べました)休憩で席を立ったときは、熱戦を繰り広げていていい勝負に思えました。結果は藤井九段が勝ちましたが、稲葉アマの実戦的な粘り強い指し方が印象的でした。

田丸―渡辺戦は、矢倉模様から私が中央の位を取る力戦型となりました。中盤では少し苦しい形勢でしたが、反撃して終盤の一手違いの寄せ合いに持ち込みました。しかしわずかに及ばす、私が敗れました。渡辺四段は7月にフリークラスからC級2組に昇格(来年度の順位戦に参加できます)したばかりで、晴れ晴れとした様子でした。

「将棋連盟ホームページ上の記録ページで、テレビ対局の結果を反映して勝利数と勝率に表示されるのは、テレビ放送の何日後とか決まっているのでしょうか。また、年間勝率などの記録部門の1位の棋士には特別なボーナスは出ますか」という内容のコメント(8月14日)は《スズキ》さん。

以前はテレビ棋戦(NHK杯戦、銀河戦)の対局の放送前でも、連盟ホームページ上の記録ページの勝利数と勝率に、収録済みの対局結果を反映させていました。しかし勝負への興味を損ねるという関係者の要望があり、何年か前に放送後(たぶん次の週の月曜日)に結果を反映することになりました。なお、通算1000勝とか通算250勝で九段に昇段などの節目のケースでは、その勝利数の中に未放送のテレビ対局があっても特例で公開します。

将棋連盟は、将棋大賞の記録部門の1位の棋士に「特別なボーナス」を出しません。そうした実績を挙げるまでに多額の対局料と賞金を得たので、その必要はないということでしょう。ただ若干のお祝い金を出すようです。私は記録部門で未表彰なので金額は知りません。

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コメント

勝率1位は凄いですが手放しで凄いとは言い切れないかと思います。
順位戦や竜王戦のクラスなど、どこも尋常ではない棋力であるもののA級そして1組といったような付加価値も考慮するべきではないかと。
佐藤天彦八段と青嶋四段では価値が違うと言い切るのは乱暴ですが。

投稿: なかじ | 2015年8月22日 (土) 06時09分

田丸先生、渡辺先生との対戦は残念でした。次局は頑張ってください。ところで、なかじ氏のご指摘には賛同ですね。以前どなたかが連盟ホームからの質問で、勝率などの一覧を載せて何か棋士一律比較は釈然としない的なコメントを見た覚えがありました。改めてなかじ氏がコメントされ、難しい成績一覧比較ですが何か工夫が必要に思われます。以前、途中まで新参加の四段の先生2人がトップ(全勝)を走っていました。対局数は2~3局、他の棋士は20~30は対局していました。段差があると羽生先生やその世代などの最強棋士とはあたりません。勝数、勝率、対局数、タイトルリーグ戦参加の有無など様々価値判断が違う気がします。素人では上手い案は浮かびませんが、いかがなものでしょうか。

投稿: 田舎棋士 | 2015年8月23日 (日) 17時34分

田丸先生対局ごくろうさまでした。
さて、なかじさん、田舎棋士さんのご指摘はなかなか難しい問題ですね。確かにプロ棋士は4段以上は平手手合いで同格での勝負ですが、お二人のコメントのように1勝の価値観は違うような感じです。8/23現在羽生先生は勝数だけ9位タイだけランクインでした。これは1勝の重みはないわけです。現在は、佐藤天彦先生が記録欄ではA級としてトップクラスに居り、何とか上級クラスの面目は保っています。対局結果をもう少し細かくできればいいのではないでしょうか?棋士の勝ち負けを対戦者のA,B1,B2,C1,C2,フリー及びタイトル戦の7つで表示することはどうでしょうか。
X棋士(B2):1-2(A)、2-2(B1)、5-1(B2)、3-1(C1)、1-0(C2)、0-0(フリー)、0-0(タイトル戦)と7段組の成績一覧表が浮かんだ次第です。(対局数、勝数、勝率は合計で算出する)

投稿: 千葉霞 | 2015年8月24日 (月) 11時51分

日本の伝統娯楽である将棋の文化的な一面を知るはいいことです。将棋文化検定試験を始められたのも将棋をよく知ってもらおう、ファン層を広げようとつながりいいことだと思います。ただ私自身はピンとこなくて(鈍感)興味をしめせませんでした。関連しますが、かつて将棋の発展期(江戸期)の実話録を将棋雑誌付録で読んだことがありました。地味ですが残っている実話などがありましたら(既に発刊されていましたら教えてください)新聞や雑誌に掲載をお願いしたいです。家元各家との争い(勝負)、名人位をめぐる争い、在野棋士と家元門下との関係などなど紹介くださればと思います。

投稿: 東京散歩人 | 2015年8月25日 (火) 11時16分

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