将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2014年11月18日 (火)

11月10日に83歳で死去した俳優の高倉健さんの映画で田丸が好きな作品

11月10日に83歳で死去した俳優の高倉健さんの映画で田丸が好きな作品

「健さん」こと俳優の高倉健さんが11月10日に83歳で死去しました。高倉健さんと所縁がある人たちやファンから、健さんを悼む声が寄せられています。

私は高倉健さんが主演した『動乱』『幸福の黄色いハンカチ』『居酒屋兆治』『八甲田山』などの映画を見ましたが、昭和30年代の初期の頃の作品が好きです。これらの写真は、私が持っているビデオ・DVDのカバーです。

写真・上は、美空ひばりと高倉健が共演した『希望の乙女』(昭和33年・東映)。美空ひばりの芸能生活10周年を記念した映画です。歌手になる夢を抱く牧場の娘を美空ひばり、バンドマスターを高倉健、作曲家を山村聡が演じました。歌や踊りの場面が随所に出てくる青春映画です。

美空ひばりとの「3人娘」で活躍した江利チエミ(この映画の1年後に高倉健と結婚しました)、雪村いずみが特別出演しました。そのほかに新人時代の佐久間良子、中原ひとみ、丘さとみらの女優が出演しましたが、佐久間良子(写真の下側で左から3人目)の美しさは目を見張るばかりです。

11月10日に83歳で死去した俳優の高倉健さんの映画で田丸が好きな作品

美空ひばりと高倉健が共演した『三百六十五夜』(昭和37年・東映)。資産家の令嬢を美空ひばり、建築技師を高倉健、画家を鶴田浩二、薄幸の女性を朝丘雪路が演じました。

高倉健さんはどちらの映画も30歳前後の頃で、見たとおりの「イケメン」です。ただ当時の人気はそれほど高くなかったといいます。人気が飛躍的に上昇したのは、昭和40年から始まった『網走番外地』のシリーズでした。その映画で高倉健さんの魅力に引かれた男性たちは、健さんになりきった科(しな)で映画館から出てきたそうです。

11月10日に83歳で死去した俳優の高倉健さんの映画で田丸が好きな作品

昭和36年から40年にかけて、映画『宮本武蔵』(原作・吉川英治、監督・内田吐夢)の5部作が東映で公開されました。宮本武蔵を中村錦之助、佐々木小次郎を高倉健、武蔵を慕うお通を入江若葉、沢庵和尚を三国連太郎、武蔵の幼友達の又八を木村功、又八の母親を浪花千栄子、小倉藩の重臣を片岡千恵蔵らの名優たちが演じました。

私は青年時代に吉川英治の小説『宮本武蔵』を読んで感動しました。映画も演出・配役・筋書・色彩など、すべてが素晴らしいです。中村錦之助の武蔵は凛々しく、高倉健の小次郎は不敵な格好よさがいいです。

私は34年前に『宮本武蔵』の5部作を、新宿の映画館で夜の8時から徹夜で見たことがあります。その映画を見て英気を養うと、以後は将棋の調子が良くなりました。そして翌年にB級2組順位戦で昇級できました。

ところで今泉健司さん(朝日アマ名人)は11月18日に、人生をかけた勝負である「プロ編入試験」の第3局で三枚堂達也四段と対局しました。第1局で宮本広志四段、第2局で星野良生四段に勝ったので、本局に勝てば規定の3勝に達して合格となり、晴れてプロ棋士になれます。その結果は三枚堂四段が勝ちました。今泉さんの合格は12月8日の第4局(相手は石井健太郎四段)に持ち越されました。

11月20日・21日の竜王戦(森内俊之竜王―糸谷哲郎七段)第4局で、私は20日に「ニコニコ生放送」で解説者を務めます。いつものように解説の合間に、竜王戦や両対局者のエピソード、糸谷七段の四段時代の「怪物伝説」などを紹介します。ぜひ見てください。

 

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コメント

高倉健さんが亡くなりました。残念です。朝からTV各局は健さんのニュースで一杯です。全国紙でも数ページで紹介しています。ご冥福を祈るばかりです。さて「昭和30年代の初期の頃の作品が好きです」には賛成です。美空ひばりさんとの共演はよかったです。任侠ものはあまり見ていません。
今泉健司さん(朝日アマ名人)は持越しですね。ニコニコですが、解説で男子プロ棋士お二人がプロ側に応援が偏った場面が多すぎだった気がします。冷静に、公平にお願いします。おじさんチャレンジャー今泉さんが頑張っているのですから、少し世代の近いプロにより過ぎました。11月20日・21日の竜王戦(森内俊之竜王―糸谷哲郎七段)第4局の解説(名解説!)を期待しています。(楽しみです)

投稿: 千葉霞 | 2014年11月19日 (水) 12時01分

高倉健さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。私は昭和40年代後半生まれなので、30年代の映画はもとより、任侠ものも知りません。ただ、その映画には『その筋の方』が何人も映画館に来て、出てきたときは、皆感動していた、という『伝説』は聞きました。さすが『一流役者』は『本物にも認められるべき存在』だったんですね。・・・・高倉さんと将棋界の交流って、なかったのかな?という疑問はありますが、そちらはどうなんでしょうか?もしあれば紹介してください(対局姿も似合うと思います・・・丹波哲郎さんがそうでした)。三枚堂-今泉戦は、ホント注目の一戦でしたね。『瀬川氏以来、プロ棋士がまた一人出るや否や!?』という一局ですし、三枚堂四段は小さいころから知っていたので、本当に心配でした。いうなれば『親バカならぬ知人バカ』でしょうか。とにかく勝ててよかったですし、今泉さんも『世の中そんなに甘くない』と気持ちも切り替えて、次に臨んでいただけたら、と思います。昭和の名優が消え、将棋界は平成の注目対局が催される・・・ホント時代はぐんぐん進んでいるなあ、と思います。次はどんな『話題』が出るか、予想がつかないですが、私も『時間』とは前向きになりたいです。先生も体調に気をつけて、これからもがんばってください

投稿: S.H | 2014年11月19日 (水) 15時40分

高倉健さんのご冥福を祈ります。SHさんのコメントのように将棋界との関係はあったのでしょうか。気になりました。あれば「名誉八段」を贈ってあげてほしいです。昨今、政治家には乱発していますのを嫌らしく思っていました。谷川さんの叙勲も早すぎです。(これは余計事でした)映画ですが、わたしも30年代のものをTVで見たりしました。任侠は好きではありません。また、今泉さんには頑張ってほしいですね。千葉霞さんのコメントのようにプロへの応援解説はやめてほしいと思います。また、この一戦の棋譜が連盟のHPで見られないのは残念です。女子棋戦でも放送をお待ちくださいと事前には見られないのがあります。結果が先に進んで終わってしまってもまだ放送日前でがっかりします。どんなものでしょうか。健さん!合掌

投稿: 東京人 | 2014年11月20日 (木) 14時23分

谷川会長が紫綬褒章を受けられましたが、棋界では8人目で、叙勲は12人目、ということですが、残りの4人はどういった功績で叙勲を受けているのでしょうか。もしよろしければ紹介していただければと思います。

投稿: 通行人 | 2014年11月23日 (日) 20時34分

高倉健さん、残念です、安らかに。

>私は34年前に『宮本武蔵』の5部作を、新宿の映画館で夜の8時から徹夜で見たことがあります。

新宿東映ですね。春休みの土曜、私も同館していたことになります。
「配役 中村錦之助」「パチパチパチ」「高倉健」「同」という雰囲気を覚えています。
なんともなつかしい。
その頃私は都電三ノ輪橋近くに住んでいました。先生が2012年5月28日に触れていた
クラブなのか、その後継なのか、場所が同じだけで異傾向・別経営なのか、
駅そばに将棋クラブがありました。入ったことはありませんが。
もう34年にもなりますか。感無量です。

投稿: と金読者 | 2014年11月24日 (月) 07時15分

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