将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2014年9月13日 (土)

終盤で「駒柱」が出現した田丸の対局、3連続千日手の対局、王位戦第8局の日程

終盤で「駒柱」が出現した田丸の対局、3連続千日手の対局、王位戦第8局の日程

写真の局面は、私こと田丸昇九段と高田尚平六段の対局(9月4日・王位戦)。

この将棋は、私の攻めが少し息切れ気味でしたが、相手の疑問手で終盤は優勢になりました。しかし、いつものように寄せを誤って形勢がもつれました。そして高田六段が△8四銀と上げた写真の局面で、両者の8筋の駒が縦に一直線に並ぶ「駒柱」が出現したのです。私は思わず「あっ、駒柱だ!」と叫んでしまいました。

私は40年以上に及ぶ公式戦で、駒柱が出現した記憶はあまりありません(たぶん1局ぐらい)。それほど珍しい形なのです。「4筋の駒柱は不吉」という説もあります。

実戦は写真の局面から、▲6四角△同角▲同金△4八飛成▲6三飛△9二玉と進み、私の負け筋となりました。▲8三角の王手は△8二玉で詰みません。▲6七金寄で金取りを受けましたが、△7六銀が詰めろになり、私はまもなく投了しました。

私は駒柱が出現する以前の局面で、正しく寄せれば勝てました。

8月14日のブログで、持将棋(じしょうぎ)と千日手が続いて、指し直し局が翌朝の9時すぎに延びた対局(2004年のB級1組順位戦・行方尚史七段―中川大輔七段)を紹介しました。

9月2日の宮田敦史六段―伊藤真吾五段(竜王戦5組昇級者決定戦)の対局は、千日手が何と3局も続きました。1局目は夕方の17時3分に序盤で千日手になりました。2局目は30分後に再開され、23時30分に中盤で千日手になりました。3局目も30分後に再開され、深夜の3時12分に終盤で千日手になりました。そして4局目は3時42分に再開され(両者は前局で持ち将棋を使い切ったので、各1時間を加算)、朝方の6時51分に113手で宮田六段が勝ちました。

将棋連盟の担当者の話によると、千日手・持将棋の指し直し局が3局も続いたのは、この40年ほどで記憶がないとのことです。

当日に立合人の仕事を務めたのは室岡克彦七段でした。最終の対局が23時を過ぎると、1万円の深夜手当が加算されますが、早朝手当はありません。持ち将棋・5時間の竜王戦の記録料は8千円(級位者は7千円)ですが、指し直し局で加算されません。対局者も立合人も記録係も、本当にお疲れさまでした。

王位戦7番勝負(羽生善治王位―木村一基八段)第6局は木村が勝ち、戦績は羽生の3勝2敗1持将棋となりました。第7局は第6局に続いて、神奈川県・鶴巻温泉「陣屋旅館」で9月下旬に行われます。通常は第7局が最終局ですが、第3局の持将棋を1局分とみなしたので、木村が勝って3勝3敗になると第8局が行われます。

王座戦5番勝負(羽生王座―豊島将之七段)が9月上旬から始まり、森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する竜王戦7番勝負(9月上旬まで羽生に挑戦の可能性がありました)が10月中旬から始まります。このように羽生の対局日程が過密になっていて、王位戦第8局の日程を決めるのに難渋したそうです。

千日手と持将棋では、手数と時間で消耗度がまったく違います。そんなわけでタイトル戦で持将棋になった場合、規定では次の対局に持ち越されます(千日手は当日に指し直し)。しかし王位戦第3局で持将棋になったとき、羽生王位は前記のような事情もあって、できれば指し直し局で決着したかったそうです。今後の検討課題になるかもしれません。

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コメント

こんにちわ。久しぶりの投稿になります。たしかに羽生先生のことを考えれば、指し直しがいいでしょうね。名人戦以降タイトル戦出ずっぱりで『勝ちまくり』状態ですからcoldsweats01。初の竜王が19歳で、現在40代半ば。実に20年以上もこうした状態が続けば、20代30代のうちはいいですが、40代になると・・・私も同世代だから体力の維持は難しいと実感しています。ホント羽生先生ってタフだなあ、と思いますが、そろそろ体調面を連盟全体が気遣ってあげないといけません・・・でないと里見女流のように『体調不良』を起こしてしまわない、とも限りません。『縁起でもないこと言うな!』と叱られるかもしれませんがcoldsweats01、皆様ご一考をお願いいたします。

投稿: S.H | 2014年9月13日 (土) 15時06分

あ~あ田丸先生もとうとう「駒柱」をしてしまいました。勲章でしょうか。さてさて千日手を3回ですか、これは両者負けにしましょう?という訳にもいきませんです。将棋は色々ありますね。真剣ですから仕様がありません。今日のNHK戦で谷川九段が勝たれました。最近はあまり勝率がよくありませんでした。相手の小林先生にも0勝2敗でした。「キリマンジャロ」の名解説の先生曰く今日は谷川先生は研究されてきたかもと評していました。谷川先生は会長公務で大変お忙しいのでしょうか。でも頑張って欲しいですね。大山先生(A級で会長)という先人がおられるのだから「ファイト」ですね。

投稿: 千葉霞 | 2014年9月14日 (日) 16時38分

「できれば指し直し局で決着」
これは羽生さんならでは、のエピソードですね。
過密スケジュールもあるでしょうが、あの時間から指し直しても体力・健康面に自信があるからだ、と感じました。
羽生さんは日頃からよく散歩しているというのは有名な話ですよね。

投稿: popoo | 2014年9月14日 (日) 17時51分

今週9/24号の週刊将棋で1局の最多千日手は4回とコラムでありましたよ。
1963年11月のA級順位戦
加藤-丸田
加藤-熊谷

投稿: ys | 2014年9月26日 (金) 00時45分

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