第4回電王戦、コメント内容、陣屋のカレー、対局立会人などのコメントについて
「第4回電王戦は開催されますって宣言していいんかいなぁ。あんたにそんな権限あんの?」というコメント(4月19日)は《Ken》さん。
第3回電王戦第5局の直後の記者会見で、将棋連盟会長の谷川浩司九段は「ファンのみな様の注目もありますが、今後についてはすべて未定です」と、プロ棋士が将棋ソフトとの5番勝負に2年連続で負け越した厳しい結果を受けて、このように語りました。
電王戦主催者のドワンゴの川上量生会長は「今後もコンピューターと人間の戦いを続けていきたい」と語りました。また、『週刊文春』の連載エッセイで「伝統文化とネット文化は相性がいいのです」と書きました。
こうした話を総合的に見れば、来年に第4回電王戦は開催されると思います(もちろん私にはそれを決定する権限はありません)。実際に谷川会長もその意向だと聞いています。ただ勝負の方式(5番勝負、棋士の人選、持ち時間など)については、あれこれと検討しているようです。
「投稿される方は、田丸九段に『あんた』とか言うのはやめましょう。最低限のマナーは守りましょう」というコメント(4月21日)は《見る将棋ファン》。
これは前記の《Ken》さんのコメントへの意見です。コメントの中には、たまに「ため口」のようなものがあります。それを失礼と思うか、くだけたと思うかは、人によって受け取り方は違うでしょう。私は「あんた」については、あまり気にしていません。
「5月19日のブログに、横文字と漢字混じりの変なコメント、商品の売り込みでしょうか。ウィルス一杯の危ない気がします」というコメント(6月2日)は《囲碁人》さん。《千葉霞》さんからも6月4日に同じ指摘がありました。
このブログを5年前に開設した当初は、違法サイトに誘導する「いたずらメール」が頻繁に送られました。現在は防止機能が働いてほとんどありません。ただ普通の文章に装っていたり外国語だと、通り抜けてしまうことがあります。私は、公序良俗に反する、他人を中傷する、将棋とは無関係、商品の売り込み、などの内容のコメントについては、管理者としてブログから削除することにしています。《囲碁人》さんらが指摘したコメントは、英語を解読できず様子を見ていました。しかし怪しいサイトに誘導する意図がありそうなので、なるべく早く削除します。皆さんも注意してください。
「陣屋のカレーはタイトル戦専用メニューで、一般客は口にすることができないと聞きました。連盟で陣屋のレトルトカレーを作ってほしいですね」というコメント(5月20日)は《SASA》さん。
タイトル戦の対局がよく行われる神奈川県秦野市「陣屋旅館」では、2日目の昼食はカレーライスが定番です。多くの対局関係者にぱっと出せるからだそうです。ビーフとチキンの2種類があり、食い意地の張っている私はどちらも食べます。とても美味しいと評判のカレーは、連盟ではなくて陣屋さんにぜひ販売してほしいですね。
「棋士が連盟の施設を私的に使うのは禁止ということを、初めて知りました。確かにあちこちで練習将棋や研究会が行われたら収拾がつかなくなります」というコメント(5月25日)は《popoo》さん。
以前は、棋士が将棋会館の空き室を研究会などに自由に使えました。しかし連盟の事業が拡張するにともない、もともと手狭なこともあって、業務に支障が生じるようになりました。昨年の8月からは、会館での研究会、VS(1対1の練習将棋)は禁止されました。ただし実戦ではなくて、盤を使った検討は今までどおりできます。順位戦や注目の一戦がある日の夜7時以降は、控室の桂の間に盤が何面も並べられ、多くの棋士が熱心に研究しています。そこでの情報とコメントは、「モバイル中継」の題材となっています。
「対局立会人の話は、めったに聞くことができないので興味深いです。最後の対局終了が午後11時を過ぎると1万円の深夜手当をもらえるなら、田丸九段が対局立会人を務めた5月27日は11時20分なので、深夜手当をもらったのですね」というコメント(5月31日)は《popoo》さん。
1万円の深夜手当は、私はタクシー代と夜食代で半分ほど使ってしまいますが、ないよりはましです。4月に務めたときは最終対局の終了時刻が11時ジャストで、内心でラッキーと思いました。一方で10時59分に終わって、がっかりした棋士もいます。11時が近くになると、ちょっとそわそわしますね(苦笑)。
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コメント
田丸先生ありがとうございました。私も変なコメントには注意します。
このブログを拝見する直前に清水さん、甲斐さんの一戦を見ていました。やはり女流は強くなりましたね。あの清水六段(クイーン)が甲斐さん(二冠)に「敵わない」のですから驚きます。清水さんも多少は力が落ちてはきてはいるのでしょうが、若手が伸びてきたという方が正しいのかもしれません。以前には甲斐さんは深浦九段にも勝たれているようですが、これも強さの証明です。(男子プロの域に近づいてきています!)
投稿: 千葉霞 | 2014年6月 4日 (水) 19時50分
田丸先生、こんにちは。皆さんのコメントに丁寧に答えて下さり面白く拝読いたしました。
千葉霞さんが仰るとおり、近年の女流棋界のレベルアップは素晴らしいです。今日の女流王位戦第4局では清水さんの 73手目▲45桂、甲斐さんの74手目△42飛~80手目△82飛などいくつかの好手が出たようですね。
先日のマイナビ第4局でも里見さんの鋭い攻めを加藤さんが凌ぎ切り、反攻に出て里見玉を詰ますという「女流頂上決戦」にふさわしい素晴らしい戦いが見られました。私は加藤さんを応援しているので女王戴冠がとても嬉しかったです。
ところで、加藤新女王のインタビューが載っていると知って週刊将棋の6月4日号を購入しました(将棋世界は定期購読していますが、週刊将棋の定期購読はちと辛いもので・・・)。1年ほど前、田丸先生が週刊将棋に「評伝 米長邦雄」を連載しておられるとブログで告知しておられたと記憶しますが、載っていませんでしたのでもう完結したのでしょうか。連載中に読めと言われそうですが、ぜひ単行本として刊行して下さい!
投稿: オヤジ | 2014年6月 4日 (水) 23時50分
田丸先生コメントご回答ありがとうございます。さすが先生は大局観
でしょうか「あんた」発言はさほど気にしていないには「うむっ」とこちらが我慢しました。コメント文全体から好戦的な雰囲気の中での「あんた」は良くないですね。方言や普段使い的な方の言い回しでは怒るに怒れないものはあるでしょうが、先生はいい人です。「オヤジ」さんの要望はいいですね。お安く本にしていただければありがたいです。大内先生の本(かなり昔)と羽生先生の入門書(将棋始めたい人に進呈)を購入したくらいですが、あまり将棋将棋していない人物像、将棋界エピソード物はぜひ読みたく思います。宜しくお願いします。
投稿: 囲碁人 | 2014年6月 5日 (木) 14時07分
陣屋のカレー、是非食べてみたいです。
私が学生の頃(昭和56年~61年頃)連盟には食堂があった記憶があります。上京して連盟の食堂で駒形のお弁当を食べた記憶があります。
また、連盟道場ではプロ棋士の教室も開かれていて通ったものでした。
当時は連盟道場をプロ棋士が自分の私的な教室に使えていたのですね。
大学生だった私は連盟道場で小学生の子にボロボロに負かされ
「お兄ちゃん本当に有段者?」と言われて返す言葉も無くクチビルを噛みしめていました。いつかこの生意気な子供を負かしてやると思い努力しましたが二枚落ちでも勝てなくなりました。その子は現在の丸山忠久九段です。いつも私だけヒドイ負かされ方だったので丸山九段の顔は二度と見たくありません(笑)
投稿: こうめい | 2014年6月 5日 (木) 16時55分
田丸先生のご見解をお聞かせください。
もし今後、下記のプロ棋士が電王戦に出場し、最強のソフト五台と対局すると、プロ棋士側の勝敗はどのようになると思われますか?
・羽生善治名人 (四冠、永世六冠資格保持者)
・森内俊之竜王 (永世名人資格保持者)
・渡辺明二冠 (永世竜王資格保持者)
・佐藤康光前王将 (永世棋聖資格保持者)
・郷田真隆前規王 (NHK杯選手権者)
投稿: 将棋ファン | 2014年6月 8日 (日) 12時16分
田丸先生に電王戦での対戦予想要求が出ましたが?メンバーも人では最強ですね。余程ではない限り「全勝ですよ」。先生に聞くまでもない質問でしょう。将棋ファン氏は「本当に将棋ファン?」と総攻撃を受けそうなのでお先にお答えしましょう。もし行うとしたら「各対局料を500万円、勝利賞250万円」「ソフトは最強(1位)のみで行う」ソフトは同じの意味。「休憩は2回:各2時間(昼、夕)」まずこのメンバーではありえないのであくまでも参考です。渡辺先生は一度勝っていますので行う必要は無いのでは?
どなたかがコメントしていましたが、奨励会員の方、女流も参加させてはどうでしょうか。清水先生は負けていらっしゃるのかな。強いといわれている超若手で対戦してみるのも案ではないでしょうか。
投稿: IT男 | 2014年6月 8日 (日) 16時17分
今年の総会も議長をやられたそうでお疲れ様です。
また、総会の様子や議決内容を教えてください。
(素人では総会の議決内容とか知る方法がわからないので)
投稿: 通行人 | 2014年6月 9日 (月) 21時59分
田丸先生総会の議長お疲れ様でした。さて、去年のお話ですが、新人王戦にて「奨励会の方(谷川先生のお弟子さん:3段)」が優勝されました。その時もやはり若手は強いなと思いました。結句、優勝でのご褒美はと期待したのですが、全員参加型ではなかったので(検討はされたのでしょうが)奨励会の次点1となっただけでした。高段者5~6段の棋士の方も参加されていたと思いますが、この方々より優秀であったわけですのでいきなり「棋士の段」とはならなかったのかなと思いました。奨励会の方が参加されるのですから昇段の条件(2段は3段、3段は4段へ)があってもとはならないものでしょうか?そうそう高段の棋士に勝って優勝は難しいとは思いますが、次点1点では厳しいと思います。将来頑張れ!の励ましでしょうが4段はあげたかったというのは一将棋ファンの気持ちです。
投稿: 千葉霞 | 2014年6月11日 (水) 15時23分
電王戦、なんとか羽生さんに出場していただくわけにはいかないのでしょうか?名人戦と同じ形式で7番勝負で7-0で勝っていただいて『さすがは羽生さんは違う!』と騒がれれば、将棋界の話題になると思うのですが。
投稿: 木口小平 | 2014年6月12日 (木) 07時32分
木口さんのご提案?コメントの言いたいことは分からないでもないですが、電王戦で「なぜ羽生さん」なのでしょう?まだまだ羽生先生の出番ではないのではないでしょうか。他の棋士先生方はもういいのでしょうか?また、羽生先生「4冠王」の対局料の7番分を誰が払うのですか?(1000万円で足りましょうか?ドワンゴ様)7番全部出なさいと指定ですからこれは大変ですね。ボランティアや面白バラエティーではないのです。名人戦と同じ形式?それだと4番で終わりのはずですが(4-0)さてさてどんな企画でしょうか?この間勝たれた豊島先生は?さすがとは言わないのでしょうか?強かったですよ。向き不向きもありましょうから、羽生先生はどうでしょうか内心ではCOM将棋は苦手やもしれませんよ。実力NO1は間違いありません。どうでしょう羽生先生に出ろというのは?今少し待ってみては。勝たれたとしてもその前の負け分が多くて「さすが」とはならない気がします。一人だけですから何勝しても??とならざるを得ません。棋士側全勝とならなくてはファン1個人の満足だけになりはしませんか。話題性は勝っても負けても当然あります。4冠王が出るのですから、当たり前なことです。
投稿: 将棋太郎 | 2014年6月12日 (木) 18時05分