指導将棋で訪れた岩手県久慈市の『あまちゃん』の現場と3年前の大震災
私は6月上旬、将棋連盟の「棋士派遣」の仕事で岩手県久慈市を訪れ、地元の将棋愛好者たちに指導将棋をしました。その合間に、観光地を案内してもらいました。
写真・上は、太平洋に臨む小袖海岸。
ここは、女優の能年玲奈が北限の海女・天野アキを演じて国民的な人気を博したNHKドラマ『あまちゃん』の撮影現場でした。
写真・中は、ドラマのタイトルバックとなった小袖海岸の灯台がある防波堤。
『あまちゃん』の人気は今も続いていて、多くの観光客が小袖海岸を訪れるそうです。土曜・日曜・祝日は午前9時から午後4時までマイカー規制が実施され、臨時路線バスかタクシーを利用して区域内に入れます。私たちは夕方だったのでじかに行けました。
岩手県の北東部にある久慈市は、3年前の3月11日午後2時45分頃に発生した東日本大震災の被災地でもありました。
写真・下は、地震発生から約45分後に10メートルもの高さに及んだ大津波が沿岸部を襲った光景。※『東日本大震災 久慈市の記録』(久慈市)より転載。
大津波は何回も襲いかかりました。12メートルの防潮堤を越えて漁港・工場・家屋などを呑み込み、悲惨な爪痕をあちこちに残しました。ただ住宅街が海岸から遠かったのと、久慈川と長内川にかかる久慈大橋が大津波の遡上を食い止めたので、人的な被害は死者4人・行方不明2人にとどまりました。
大震災から3年たった現在、久慈市はかなり復興しているように見えました。しかし瓦礫の集積地が随所にあり、流された家屋の跡地を造成する工事が続いています。復興は未だ途上という感じです。指導将棋を行った久慈支部の道場は、海岸に近かったので80センチほど浸水しましたが、平日で誰もいなかったのが幸いしたそうです。
久慈は山海の珍味が豊富で、新鮮な魚と蕎麦が美味しかったです。何種類もの根菜と胡桃と黒砂糖を包んだお団子が入っている「まめぶ」汁も絶品でした。開業は明治時代という地酒の「福来」も気分よく酔えました。
久慈市には、近代柔道の礎を築いた三船久蔵十段の記念館があります。そこで思わぬ発見をしました。その話は次回にて。
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