将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2013年11月23日 (土)

竜王戦(渡辺竜王―森内名人) 第4局で森内が勝って竜王獲得に王手

竜王戦(渡辺竜王―森内名人)<br />
 第4局で森内が勝って竜王獲得に王手

竜王戦(渡辺竜王―森内名人)<br />
 第4局で森内が勝って竜王獲得に王手

竜王戦(渡辺竜王―森内名人)<br />
 第4局で森内が勝って竜王獲得に王手

第26期竜王戦(渡辺明竜王―森内俊之名人)7番勝負の第4局が11月21日・22日に香川県宇多津町「サン・アンジェリーナ」で行われました。香川県で竜王戦のタイトル戦が行われたのは初めてでした。宇多津町は県北部の坂出市と丸亀市の間にあり、瀬戸内海に面しています。

写真・上は、瀬戸内海と瀬戸大橋を臨む対局室。右から、渡辺竜王、記録係の都成竜馬三段(今年の新人王戦で、奨励会三段として初優勝)、森内名人。

写真・中は、大盤解説会の光景。じつは第4局の対局場は結婚式場で、解説会は教会で開かれました。新郎新婦が永遠の愛を誓う壇上に大盤、新婦が歩くバージンロードに座布団が置かれ、訪れた多くの将棋ファンが棋士の解説を聞いていました。

竜王戦第4局を実況した「ニコニコ生放送」では、羽生善治三冠が2日目の22日に解説者を務めて盤外でも盛り上がりました。午後に放送スタジオ(東京の将棋会館)と香川県の対局場とで電話がつながったとき、羽生が立合人の小林健二九段と思った相手が、将棋連盟会長の谷川浩司九段と知って驚く場面もありました。

第1局から第3局までは、矢倉模様から後手がいずれも△5五歩▲同歩△同角と積極的に動いて、同一の戦型となりました。

第4局は通常の相矢倉でした。先手の渡辺が攻めて後手の森内が受ける展開となり、渡辺が細かくつなぐ攻めに対して、森内が2筋の玉を9筋まで逃がしてかわしました。そして大熱戦の末に、森内が即詰みに討ち取って勝ちました。

この結果、挑戦者の森内は3勝1敗(〇〇●〇)とリードして、竜王獲得まであと1勝と「王手」しました。竜王戦10連覇をめざす渡辺は崖っぷちに追い込まれました。

渡辺は2008年(平成20年)の第21期竜王戦(渡辺竜王―羽生名人)で、3連敗から4連勝して大逆転防衛を果たしたことがあります。一方の森内は最初に2連勝した計6回のタイトル戦(7番勝負)で、いずれも勝ち切りました。

つまり、竜王戦で負け越しても必ず勝った渡辺の「盾」と、タイトル戦で勝ち越したら必ず勝った森内の「矛」のどちらかが、今期の竜王戦で敗れるのです。注目の竜王戦第5局は、11月28日・29日に富山県黒部市で行われます。

写真・下は、私が竜王戦第3局・1日目の11月7日に「ニコニコ生放送」で解説者を務めたときの光景。聞き手は上田初美女流三段です。

私は解説の合間に、「渡辺―森内の勝負」「渡辺と森内のエピソード」「竜王戦の雑学」などをテーマに、盤外の話をいろいろと盛り込みました。視聴者にはとても好評だったようです。その話の一例を紹介します。

渡辺竜王は近年の竜王就位式で、ある子ども将棋教室の生徒たちから連覇の数と同じ花束を贈られていました。果たして今期は10個の花束を受け取れるでしょうか。ちなみに渡辺は生徒たちから「ドラゴンキング」と呼ばれています。

森内名人は近年の名人就位式で、本人の希望による暖炉型ストーブ、生まれた年のワイン、天体望遠鏡を記念品として贈られました。今期に竜王を獲得したら、何を所望するのでしょうか。

私は執筆の仕事(『週刊将棋』『将棋世界』の連載など)に追われて、ブログの更新が滞っています。12月になれば更新の回数を増やせると思います。それまでお待ちください。

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コメント

こんばんわ。遅くに失礼します。
やはり今期の、森内先生は『違う』と思いました。
4年前、奪還目指して挑戦しても、ストレート敗退(当時は無冠の九段)・・・あのころと一緒にしてはいけませんねcoldsweats01

ちなみに『9年前にタイトルを取られ、1度は阻まれても、2回目の挑戦では見事奪還!』というのは前例があり、1974(昭和48)年、内藤王位(当時)が中原名人(当時)に4連敗して無冠になり、2年後挑戦したものの2-4・・・。しかし7年後、逆のスコア4-2で見事奪還!関西のカメラマン・炬口(たけのくち)勝弘氏の写真集『王手!将棋戦国絵巻』(旧・毎日コミュニケーションズ・現マイナビ)にも載っています。
ちょっとした『トリビア』ですが、森内先生奪還の折を考え、情報を披露しましたcoldsweats01

しかし、渡辺竜王の『底力』は侮れませんから、まだまだ勝負は続くかも・・・熱戦期待しています。
田丸先生、寒い季節になりました。どうか風邪など引かないよう、体調管理に充分気をつけてくださいhappy01papernote

投稿: S.H | 2013年11月25日 (月) 02時17分

私はこの近くに居住しているので、せっかくの機会と現地へ出向きました。
大盤解説は人が多すぎて入りきれないので、即興でやっていただいた公開検討会を二回とも拝見しました。
これがめちゃくちゃ面白かったです。
あんなに間近で盤で検討していただき、しかも私のようなド素人の質問に真摯に答えていただけたのは、感動しました。
プロの方は皆さん本当に頭の回転が速くて紳士的でした。
ありがとうございました。

投稿: popoo | 2013年11月25日 (月) 18時42分

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