7月の参議院選挙での将棋文化振興議員連盟の立候補者たちの当落
2年前の8月に「将棋文化振興議員連盟」が設立され、自民党・民主党・公明党・共産党・みんなの党など、衆参両院の与野党の国会議員たちが参加しました。
最初の会合では、約100人が入会しました(代理出席や欠席者を含む)。元首相同士である安倍晋三(自民党)と鳩山由紀夫(民主党)が隣同士で歓談し、超党派の将棋会らしい和気あいあいとした雰囲気だったそうです。そして会長には「黄門さま」の愛称がある渡部恒三(民主党)が選ばれました。※敬称略。以下も同じ。
当時の将棋連盟会長だった米長邦雄永世棋聖は、国会議員の将棋会を通じて永田町や霞が関と関係を深くすることで、いずれは将棋関連の予算を獲得したり、義務教育に将棋を必修化させたい意図があったと思います。
その後、昨年の12月の衆議院選挙の結果、政権は民主党から自民党に戻り、安倍内閣が成立しました。将棋文化振興議員連盟の会長は政界を引退した渡部に替わって、今年から山東昭子(自民党)に引き継がれました。
今年の7月21日に行われた参議院議員では、自民党の圧勝と民主党の惨敗によって、与党が安定多数を得て衆参の「ねじれ」が解消されました。
将棋関係者の私としては、将棋文化振興議員連盟に所属する参議院議員や元衆議院議員の立候補者の当落が気になるところでした。
自民党では、山東が比例区で約20万票を獲得して7期目の当選を悠々と果たしました。鴻池祥肇(兵庫選挙区)と衛藤晟一(比例区)も当選しました。
民主党では当選者はなく、谷博之(栃木選挙区)、一川保夫(石川選挙区)、鹿野道彦(比例区)、吉田公一(比例区)が落選しました。
そのほかの政党では、北朝鮮の拉致問題で知られる中山恭子(日本維新の会・比例区)は当選しましたが、佐藤公治(生活の党・広島選挙区)、三宅雪子(生活の党・比例区)、谷岡郁子(みどりの風・比例区)、坂口岳洋(無所属・山梨選挙区)、米長晴信(みんなの党・山梨選挙区)は落選しました。
米長は、米長永世棋聖の甥に当たり、6年前に民主党から出馬して参院・山梨選挙区で当選しました。その後、民主党の内紛もあって離党したのですが、定数1人の山梨選挙区では自民党の候補者が圧勝しました。米長は将棋文化振興議員連盟の事務局長を務め、与野党の議員の調整役を果たしてきました。それだけに残念な結果でした。
7月26日に東京・目白「椿山荘」で行われた森内俊之名人の就位式では、文部科学大臣の下村博文が祝辞を述べ、山東が森内に花束を贈りました。河村建夫(自民党)と市田忠義(共産党)も出席しました。いずれも将棋文化振興議員連盟のメンバーで、党派を超えて日本の伝統文化である将棋の発展に力を尽くしてほしいものです。
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