43年ぶりに観光した北海道の知床半島と摩周湖の絶景
私は7月下旬に北海道・層雲峡で行われた王位戦(羽生善治王位―行方尚史八段)第3局の立合人を務めたとき、帰途は一行と別行動で道内を観光しました。
私が青年だった1970年代の頃、「ディスカバー・ジャパン」という旅行ブームや加藤登紀子のヒット曲『知床旅情』の影響を受けて、多くの若者たちが大自然が魅力の北海道に旅行したものです。横長のリュックサックを背負った「カニ族」という格好が定番でした。私もその1人で、夏には毎年のように北海道を旅行しました。
東京から北海道に渡るには、昔は航空機の便(羽田〜札幌)が少なかったので、上野〜青森(東北本線)・青森〜函館(青函連絡船)・函館〜札幌(函館本線)と、鉄道と船で行ったものです。ほぼ1日がかりの旅程でしたが、それなりに旅情を楽しめました。お金はなかったけど、時間はたっぷりあった青春時代でした。道内での移動は鉄道とバスを乗り継ぎ、時にはヒッチハイク(主にダンプカー)もしました。宿泊は安価なユースホステルを利用しました。そんな行動パターンの若者たちが多くいたので、途中まで連れ立ったりして、独りでも楽しく過ごせました。
今回はバスと鉄道を乗り継いで、層雲峡〜北見〜網走〜斜里というルートで移動し、オホーツク海に面する斜里のホテルに連泊しました。43年ぶりに観光する知床半島(世界遺産)と摩周湖への交通の便が良かったからです。
写真・上は、断崖絶壁がずっと続く知床半島の西側の光景。遊覧船に乗って撮りました。左側の滝は「カムイワッカの滝」。上流の滝には硫黄山から温水が流れています。
写真・2枚目は、知床半島の中ほどにある「知床五湖」。知床半島にはヒグマが生息していて、観光客が行けるのはここまでです。5つの湖を遊歩道に添って歩いて巡るコースは約1時間半。ヒグマと遭遇する危険もあるそうで、歩きながら鈴を鳴らしたり声を出して、人の存在を知らせることが大事だと関係者に指導されました。
写真・3枚目は、布施明のヒット曲『霧の摩周湖』で知られる摩周湖。その日もバスで向かっているときは霧が出ていましたが、展望台に着くと霧がさっと消え、幻想的な光景が眼前に広がりました。ロシアのバイカル湖に匹敵する透明度があるそうです。
私が43年前に書いた旅行日記には、船に乗って知床半島で釣りをしたり、知床五湖を歩いたり、摩周湖を見たことが記されています。今回もそうした絶景を見て感動しました。ただ当時と違うのは、観光施設が整えられた一方で、大自然の野趣をあまり感じられなかったことです。それと、旅行者の大半が私と同じ世代の中高年でした。昔は若者たちが多く、観光地や宿泊先やバスで隣り合わせた若い女性と知り合ったこともあったなあと、ふと懐古してしまいました。
写真・下は、白い花が咲き乱れるジャガイモとソバの畑。こんな田園風景のほうが北海道らしさを感じました。
北海道旅行中はとても涼しくて過ごしやすく、最高気温は15度から20度でした。次回は、41年前に観光した道北の稚内から礼文島に行ってみたいと思っています。
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コメント
猛暑の東京からみると、北海道はいかにも涼しげで爽やかですね。
とても素敵な写真です。
そういえば田丸先生はお若い頃はパーマのかかった長髪で、いつもプロ顔負けの大きなカメラを肩から下げていたと、なにかで読んだ記憶があります。
その頃鍛えた写真の腕が生きてますね。
投稿: フライドポテト | 2013年8月16日 (金) 21時45分