将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2013年4月23日 (火)

第2回電王戦はプロ棋士がコンピューター将棋に1勝3敗1分で負け越し

第2回電王戦はプロ棋士がコンピューター将棋に1勝3敗1分で負け越し

第2回電王戦はプロ棋士がコンピューター将棋に1勝3敗1分で負け越し

第2回電王戦が3月下旬から東京の将棋会館で行われ、5人のプロ棋士と5つのコンピューター将棋ソフトが団体戦の形式で対局しました(持ち時間は各4時間)。

第1局は阿部光瑠四段が「習甦」(しゅうそ)に順当に勝ちました。しかし第2局は佐藤慎一四段が「ponanza」(ポナンザ)に敗れ、コンピューター将棋が公式の場でプロ棋士に初めて勝った歴史的な対局となりました。第3局も船江恒平五段が「ツツカナ」に逆転負けを喫しました。第4局は塚田泰明九段が「Puella α」(プエラアルファ)に対して敗勢でしたが、持将棋(双方の玉が敵陣に入って詰まない状態)で引き分けとなりました。この結果、プロ棋士側は1勝2敗1分となり、勝ち越すことができませんでした。

4月20日に行われた第5局は、前期のA級順位戦で名人戦挑戦者となった羽生善治三冠に唯一の黒星をつけた三浦弘行八段と、昨年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した「GPS将棋」が対局しました。まさに「大将戦」といえる好カードでした。

「GPS将棋」は東京大学の研究者たちによって開発されました。三浦八段との対局では、東京・駒場の校舎の施設で679台ものマシーンを連結させるという最強のバージョンで臨みました。なおGPSは「ゲーム・プログラミング・セミナー」の略称で、自動車のナビゲーターなどのGPS(全世界的測位システム)とは違います。

写真・上は、東大の施設に設置されたマシーンの光景。数多くの機器がずらりと並んでじつに壮観ですが、これは全体のシステムの一部です。

写真・下は、電王戦第5局の対局開始光景。右は三浦八段、左は「GPS将棋」開発者で東大で広域科学を専攻する准教授の金子知適(かねこ・ともゆき)さん。私(中央)は本局で立合人を務めました。※2点の写真は、ある方が撮影したものです。

三浦八段の先手番で始まった将棋は、相矢倉の定跡型に進みました。前期のA級順位戦で羽生三冠に勝った得意戦法のひとつです。

金子さんの話によると、「GPS将棋」は変わった序盤作戦が好きで、やや無理攻めをする傾向があるそうです。三浦戦ではとくに作戦は決めなかったそうです。

それにしても、数百台ものマシーンが連結して将棋の手を読むというのは想像がつきません。かえって混乱するのではないかと、私は気になったものです。

金子さんの話によると、679台のマシーンのうち、675台が「読み」を担当して有力手のA・Bなどを分担して考え、3台が「詰み」を担当します。そしてメイン・マシーンの1台が全体を統括する「司令塔」として指し手を決めます。このシステムでは、1秒間に何と2億8000万手を読むそうです。

その手数は、気が遠くなるような天文学的な数字です。しかしプロ棋士には、厳しい修業と勝負で鍛えた強さと経験があります。1日に10時間も研究して「孤高の勝負師」といわれるタイトル経験者の三浦八段が負けるとは、とても思えません。

後手番の「GPS将棋」は40手目に△7五歩と突いて仕掛け、▲同歩に△8四銀と進めました。よくある攻めの手法ですが、序盤作戦に詳しい勝又清和六段の話によると、その局面ではプロ棋戦で前例のない手順でした。一見して無理攻めに思えましたが、実戦では後手の攻めが続く展開になりました。

三浦八段は玉頭から盛り上がる指し方で、相手の攻めを押さえ込みにいきました。しかし「GPS将棋」の的確な攻めを浴びて、次第に窮地に追い込まれました。

そして「GPS将棋」が102手で勝利を収めたのです。敗れた三浦八段は感想戦で「どこが悪かったのか、よくわかりません…」と語りました。それはコンピューター将棋の底知れない強さを実感したものといえます。

金子さんの話によると、戦いが始まる中盤以降は4分55秒で指すように設定したそうです(59秒未満は切り捨てなので、実際の消費時間は4分)。新しい手法を用いた△7五歩から△8四銀の手も各4分でした(プロ棋士なら少なくとも30分は長考するところ)。じつは、難しい局面では7分55秒で指すことも設定したそうですが、32手目から終局した102手目までの指し手の消費時間はすべて3分か4分でした。つまり「GPS将棋」は三浦戦で、形勢が難しいと一度も認識しなかったのです…。

第2回電王戦は第5局でA級棋士の三浦八段も敗れ、プロ棋士が団体戦でコンピューター将棋ソフトに1勝3敗1分と負け越す結果となりました。

次回のブログも、コンピューター将棋をテーマにします。

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コメント

考慮時間を延ばすのはクラスタコンピュータ内で意見が割れた時や、クラスタで少数台に割り当てられた手順が最善と判定された場合に、あらためて大台数で読み直すときだけです。
実際には中盤以降、GPSの評価値は大きく有利のまま推移したようですが、後手84金打ちの直前までは形成互角、難しいと判断していたようですし、少なくとも考慮時間の大小でコンピュータの形成判断を推定するのは間違いだと思います。

投稿: こうのすけ | 2013年4月23日 (火) 20時30分

ここまでテクノロジーが進化(ハードパワー+ソフト)すると、
さすがにプロ棋士と言えどもある程度負けることはやむを得ない、
という風に思いました。
全体を通すと今回負ける可能性が十分あるにもかかわらず出場してくださった棋士の皆様には最大限の敬意を表します。

投稿: 通りすがり | 2013年4月23日 (火) 22時34分

 今回、勇気をもって対戦していただいたプロ棋士の方々には心から敬意を表します。
 ちまたでは、これで一気に、コンピューターと、羽生3冠、森内名人、渡辺3冠等との対戦を期待ている人も多いようですが、将棋連盟には、ぜひ、慎重に対応していただきたいと思います。今回のような形での対戦では、トップ棋士が出てもあまり意味が無いように思います。勝って当たり前、負ければ失うものが多すぎるような対戦は、負担が大きいばかりで気の毒と思います。
 トップ棋士にはより重要な公式戦があります。竜王戦や名人戦のほうが、彼らにとっては、より重要なことは言うまでもないことでしょう。
 したがって、もしするのであれば、場を改めて、多くのスポンサーを募り、最低でも1000万円程度の対局料を支払って、対戦を行う必要があるように思います。また、順位戦のC2組や竜王戦6組からコンピューターにも出場機会を与えるのも一案かとも思います。
 また、もしトップ棋士が勝っても、また翌年「もう一度やれ」というように、棋士が負けるまで、何回でも対戦を希望することも予想されます。このあたりのことを十分に考えて、将棋連盟には対応を検討していただければと思います。
 将棋と日本文化をこよなく愛する者からの一言です。

投稿: 将棋好き | 2013年4月24日 (水) 00時16分

もう誰もプロが勝って当たり前なんて思ってません。
むしろ三浦八段戦で見せたGPS将棋の読みと形成判断はプロのそれを
質、量ともに上回るものであることが周知のこととなりました。

コンピュータがいかに科学技術の進化を背景に強くなろうとも、
プロ棋士は我々将棋ファンにとって「特別能力者」です。
特別能力者がSHOGI SERVANTであるから、我々は敬意を払うのです。

勝てないから勝負を避けている、とファンに思われたらおしまいです。
どうか連盟には大局観だけでなくスピード感を持って対応を検討して
戴きたいと思います。

投稿: 対戦2級観戦初段 | 2013年4月24日 (水) 02時13分

私が将棋界を見ていると見苦しいという思いばかりが湧き上がってきます。
対局禁止令は負けるのが恐いから逃げ回るという事にしか思えませんでした。
そして時が経って、アマトップより強いコンピュータから逃げ回るために女性と老人を生贄に差し出して時間を稼ぎました。
これは将棋連盟が将棋の歴史を汚したという事ですよ。

そしてやっとプロとの対局が実現しました。
そして人間側が負け越しました。
次は羽生さんか、渡辺さんか、森内さんしかいないでしょう。
ここからさらに逃げ回るのなら将棋連盟にはもう二度と日本の伝統文化なんて言葉は使ってほしくありません。

次からは最強の棋士を出すべきです。
そして最強のコンピュータと戦うべきです。
それを負けるまで続けるべきです。
たとえ来年負けたとしても、それが最善手です。

もう逃げ回るのはやめなさい。
いつか負けるのはわかってる。
だったら潔く戦って負けなさい。

投稿: 将棋界の外から | 2013年4月24日 (水) 05時06分

コンピュータは疲れません。精神的プレッシャーを感じることもありません。常に100%の力を発揮します。

現在のコンピュータ技術では、「棋士とコンピュータが同じように疲れ、同じように精神的プレッシャーを感じ、指し手に影響が出る」用にすることは不可能と思います。そうなると、少なくとも今回の持ち時間システムは改革が必要と思います。

塚田九段が事前に提案したように持ち時間を6時間(順位戦と同じ)にするのは一案でしょう。ただし、その場合はニコ生での生中継が難しくなりますね。

従来の持ち時間システムとは全く別の時間システム、
「一手5分。ただしNHK杯のようにXX分の考慮時間をXX回設ける、トイレに行く時は時計を止める」
とすれば、持ち時間を使い切り、疲労が蓄積した棋士が人間同士の対局では有り得ない不利な状況に追い込まれることはなくなります。

そして、コンピュータが棋士の棋譜を存分に研究できるのですから、棋士がコンピュータの指し手を研究できないのはおかしなことです。今回、
「ソフトを事前に研究させない」
「古いバージョンだけを研究させる」
ようなソフトの方が多かったですが、これはフェアではありません。
船江五段に対局仕様のソフトを提供し、存分に研究させた上で船江五段に勝ったツツカナと開発者の一丸さんは立派です。

また、「今度は羽生三冠他のトップを出せ」とか「もう逃げ回るのはやめなさい」などという、棋士へのリスペクトが欠けた声は無視した方がいいです。

コンピュータ将棋には、第2回電王戦の出場者で言えば、阿部四段、船江五段のような「有望若手棋士」が最も適していると思われます。森内名人が「一番、手が読めていたのは20歳くらいの時です」と仰っていたと記憶しますが、そういう時期の棋士がコンピュータを相手に一番見応えのある将棋を指せるはずです。

仮に第三回以降の電王戦が行われるとすれば

「棋士の側にのみ『疲労』や『トイレ』の要素が発生することを考慮し、持ち時間システムを、棋士同士の対局とは異なるものとする」

「出場棋士は、阿部四段や船江五段のような『若手有望棋士』に限って選抜する」

といった方向が好ましいと考えます。

投稿: オヤジ | 2013年4月24日 (水) 08時52分

渡辺竜王はブログで、「自分のところに回ってくるのは当分は先だと思っていました。
(中略)が、その見解は甘過ぎたようです。」と述べています。
つまり、然るべき段階を踏んで勝ち上がってきた強者に対しトップが相手をする
のは当然、と考えておられるということです。
「出場棋士は、阿部四段や船江五段のような『若手有望棋士』に限って選抜する」
などという、トップ棋士へのリスペクトが欠けた声は無視した方がいいです。

投稿: 頑迷固陋 | 2013年4月24日 (水) 11時54分

ウサイン・ボルトが100m走でオートバイに負けたからといって「人間は弱い」とは誰も思わないでしょう。
疲れない、間違えない、震えない、老けない、体調の波も無い機械と人間の対戦はハンディあり過ぎと思います。
今回の対戦を見て感じたことは「プロというのは本当に凄い」ということでした。
上の写真を見て「こんな凄い設備のコンピュータと戦ってたのか!」と思いました。
公平にするには人間側は持ち時間無制限くらいにしないと、と思いました。

投稿: こうめい | 2013年4月24日 (水) 11時59分

現状では、ルール次第でプロ側の勝率が大きく変わる段階にあると思います。
第3回が開催されるのであれば、連盟はプロが勝てるようなルール作りをするべきです。
例えば、プロが最大限に力を発揮できるような持ち時間の設定やコンピュータのスペックに制限を加えるなどです。
かつてスキーのジャンプやバレーボール、柔道などで欧米側が自分たちに有利なルールに変更し日本人選手を不利に追い込んだように、ルール作りから勝負を仕掛け優位に立つべきでしょう。

投稿: エンヤ | 2013年4月24日 (水) 17時47分

オリンピックで日本人が活躍すると日本人が不利になるようにルール改正してくる外人を苦々しく思っていましたが電王戦では一部の日本人にそういう発想が見受けられるのが悲しいです。同胞ではないと思いたい。
コンピュータは疲れない・震えない・昼食休憩もトイレ休憩もいらない・多数のCPUをフル稼働させている
その通り。そしてそれも含めての勝負です。
そんな一見完全無欠とも思えるコンピュータをどう料理し返り討ちにするのかがプロの腕の見せ所です。
プロ棋士が勝てそうもないから人間寄りのルールにするという発想こそプロ棋士に失礼です。

投稿: ロック | 2013年4月25日 (木) 01時39分

コンピューターが人間に勝つなんてことは、誰もがわかっていたこと。もう数年経てば、名人が10回やっても10回とも負けるという時代ですら来るのでしょう。それも誰もがわかっていたこと。
将棋の世界では強さだけが価値のあることだと信じられた時代の終焉ではないでしょうか。機械が人間に勝つ時代こそが人間であることの興味、良さ、味わいではないかと私は思います。
大多数の将棋ファンには、プロ棋士が憧れの存在であることが20年先もそうあるかどうかは、プロ棋士方々に求められているものだと思います。
一つ興味があるのは、定跡の手が少しづつ解明されていくことに、コンピューターが力を貸してくれることだと思います。

投稿: 将棋太郎 | 2013年4月25日 (木) 02時15分

コンピュータは「●分56秒読む」とかも正確にできるので、若干不公平感があります。チェスクロック使用は考えてもいいかも知れません。
第3回があるのならば、タイトルホルダーを1人は出さないとまずいと思います。

別件ですが、名人戦第3局1日目のニコニコ生放送、楽しみにしております。

投稿: HAPPY | 2013年4月25日 (木) 11時15分

チェスの世界チャンピオンは十何年前にとっくにコンピュータに負けてます。

それで、チェスのトッププロを叩く人はどれだけいますか?
「逃げている」なんていう人はいますか?
チェスをやめた人はいますか?

そんな人間はごく少数です。

コンピュータに負けても自分より強いプロは尊敬すべきところは尊敬しなければ人間ではありません。
なんか日本の恥さらしがここにもあらわれているのが悲しいです。

今後田丸先生が書かれるとは思いますが、確かコンピュータ対戦禁止令は、勝手にやって負けてプロの威信が下がることを危惧したのと同時に、今後コンピュータ対戦は商売になる、との予測があったからだと記憶しています。

そういう意味では、もう頂上決戦ではいろんな意味で意味がないと思います。
しばらくは、今と同じぐらいのレベルで3~5人ぐらいの団体戦が何年か続くと予想しています。
ただし、人間が全敗した地点で上の人がでないといけないのですが。

今後、現行のトップ棋士や全盛期の大山、升田、中原でもまったく歯が立たないソフトがでるのは間違いないでしょう。

そうなったときに、プロはどうあるべきかは今から考える必要はあるとは思います。
(そういう意味では、そういう将来のビジョンももっていたであろう米長前会長がそれを語ることなく亡くなられたのは残念です。)

北島六段が会見で「米長前会長は人間が歯を食いしばってコンピュータと対局するところを見てほしい、と思っていたのではないか」と語っていたと認識してますが、今後はそういう人間同士の戦いを強く見せることが大切なのかと思います。

長々と失礼。

投稿: 通りすがり | 2013年4月25日 (木) 22時02分

 ソフトが弱かったころ、棋士の馬鹿にした態度が気になっていました。アマには普通、「まだまだだめ」なんて言わないのに、ソフトには、なにやってるんだというような接し方がありました。はじめから、もっと誠実にかかわっていたら、ソフトが力をつけても、普通に受け入れることができたろうに。棋士紹介の場面で「研究ソフトは〇〇、PCは××」、感想戦で「この局面は詰みがあるのはソフトで調べていたのでわかっていたのですが」、なんていうことがすでに実現していたかもしれないし、電王戦で負けても、あそこまで暗くならなくて済んだに違いない。今更過去は仕方ないが、この先対応を誤ると、「負けても大丈夫」とはいかなくなるかもしれません。今の子供らはコンピュータに勝てるわけないと普通に思ってますから。暗くならずに、謙虚になってほしいです。

投稿: もりのこえ | 2013年4月26日 (金) 01時01分

>そんな一見完全無欠とも思えるコンピュータをどう料理し返り討ちにするのかがプロの腕の見せ所です。
>プロ棋士が勝てそうもないから人間寄りのルールにするという発想こそプロ棋士に失礼です。

まだこんな傲慢なことを言う人がいるんですね…
年々コンピュータの性能はよくなり、さらにクラスタ化によって飛躍的に棋力を向上させる技術が確立されつつあるというのに、これ以上たいして良くもならない人間の頭でどう対抗しようというのでしょうか。
このまま「なんでもあり」のルールで電王戦を続けていったら、近い将来、プロがただただ屈辱を味わわされるだけの戦いになるのは火を見るより明らかでしょう。
私はそんな勝負見たくもないし、私が連盟の理事だったらそんな戦いに棋士を送り出したくないです。
相手に足枷をはかせるようなことに抵抗がある気持ちはわかりますが、そこまでしないと勝負が出来ないところまでくるのは時間の問題であるということを認めなければならないと思います。

投稿: エンヤ | 2013年4月26日 (金) 02時48分

プロ棋士に負けてほしくないというエンヤ氏の気持ちは分かりますが、
正々堂々の勝負を期待する声を傲慢と切って捨てることは、発言者
だけでなく棋道たる将棋に対する冒涜です。

>私が連盟の理事だったら
あなたのような将棋を勝ち負けでしかとらえられないような不見識者が
理事とか、完全にありえないと分かっていても不愉快ですね。

投稿: | 2013年4月26日 (金) 12時46分

第1回、第2回電王戦で、棋士同士の対局と同様の持ち時間システムが採用されたのは「新しい持ち時間システムを考え出す所まで考えなかった」という、本質的とはいえない理由からだろうと思います。私自身も、今回の電王戦を観戦するまで「新しい持ち時間システムの必要性」は感じていなかったので、同罪です。

今回の電王戦で、コンピュータは中盤以降は読み筋が減るので時間が要らなくなるのに対し、最初から大局観によって読み筋を絞っている人間は持ち時間が最後まで必要であり、結果として棋士が持ち時間を使い切ってもコンピュータは大量に時間を残し、かつその時間を使わない状況が何度も生じました。

棋士同士の対局であれば、加藤一二三九段のように変わった指し方をする棋士以外は、持ち時間を計画的に使いますから、両対局者の持ち時間に大差が生じることは少ないです。一方の対局者が1分将棋に入るのと前後して、他方の対局者も1分将棋に入るが普通です。今回の電王戦では、そのバランスがコンピュータに有利な方向に崩れてしまいました。

先に述べたように「棋士同士の対局とは異なる持ち時間システムを考案する」ことで、棋士が最大のパフォーマンスを発揮できる方向になるでしょうが、コンピュータのパフォーマンスが低下する方向にはならないでしょう。

電王戦を見る人が「コンピュータと棋士が、互いに最高のパフォーマンスを見せる対局」を見たいのであることを忘れている方が多いように思います。

投稿: オヤジ | 2013年4月26日 (金) 14時08分

自分の発言が否定されたら、将棋に対する冒涜とか言い出しましたか。
いや…すごい人ですね。
今回の電王戦、持ち時間の少なさや事前研究が出来ない棋士がいた(一方、コンピュータ側は棋士の棋譜で勉強している)など、コンピュータに有利な点があったと思います。
それらを是正するルールが敷かれることではじめて「正々堂々」とした勝負が出来るのではないでしょうか。
それから、コンピュータの性能の制限はやはり必要になってくると思います。
三浦八段とGPSの対局を見ると、これ以上コンピュータの性能が上がってしまったら、プロが全く力を発揮できないまま終わってしまうような対局ばかりになってしまうような気がするんですよね。
ガチンコ勝負が見たい!というのももちろんそうなんですが、ガチンコ勝負にならなくなってしまうんじゃないかなと思います。

投稿: エンヤ | 2013年4月26日 (金) 19時27分

将棋とはいかに最善手(最も効率の良い手)を指し続けられるかのゲームだと思います。

なので電王戦で将棋ファンが注目してたのは
1 COM推奨の最善手は本当に最善手なのか(その検証)
2 COMと人間、どちらが最善手を指し続けられるか
であり、これらについて白黒つける対決だと考えてました。

今回、人間側はこの基準においてCOMを上回ることはできなかったように思います。完敗でしょう。
あと残された道は、同一人物(現役タイトルホルダー)によるタイトル戦形式の複数番勝負、人間側合議制によるミスを極力排した対決くらいでしょう。

投稿: ひろ | 2013年4月28日 (日) 21時43分

人間側が、最大限力を発揮できるようなルールにすることは、賛成だが(持ち時間等・ただし長いとニコ生ではやりにくくなるという、興行的な欠点にはなるが、今や過度気なので、見る側は、我慢して付き合いたい所。ファンならば。)

コンピュータ側に制限を加える?
こんなことしたら、将棋界にメリットは0ですよ。
仮に勝っても「ヘボスペックに勝っただけ」と言われるのがオチで、
負けようものなら、「あんなクソスペックに負けたプロ(笑)」となってしまうのがオチ。

後、三浦プロですら負けてしまった以上、
やはり羽生さん、森内さん、渡辺さんが登場すべきでしょう。
確かに勝ってもあんまメリットが無く(三浦さんの敗北で価値は大きく上がったかもしれんが)、負けたら、トッププロ敗北!となってしまうわけで、無価値と言いたくなるのは分かる。

だが、出ないことで「逃げた」と取られるほうが、さらなるデメリットであることも事実だろう。
既存の棋士への幻想にすがってくれているファンは、確かに裏切らないかもしれないが、新しいファン、そして今の若い人達が、将棋のプロの良さを思うことは無くなり、将棋界は、将来的には破綻するでしょう。
いつまでも、「逃げたトッププロ」と言われるままに。

最後に、チェス・オセロ等の先例があるため、
早いか遅いかはともかく、いずれ将棋もコンピュータに負ける日が来ることは明らかでした。
だから「今になって」プロの価値が無いとか言ってる人は、先見性の欠片も無いのでしょうか?
昔から「いずれコンピュータに負けるプロに価値が無い」と主張してた人はともかく(そんな人多分あんまいなさそうだが)

また技術者として、改良を放棄し、文句しか言えない伊藤さん(さん付けする気も起きないのだが)は、正直問題外としか言えませんね。

投稿: 歩 | 2013年5月13日 (月) 14時30分


かつて将棋ソフトが弱かったころ、将棋連盟は決して対局禁止令を出しませんでした。ソフトが弱かったころ、コンピュータは疲労しないし、プレッシャーも感じないから持ち時間を減らすなどルールを変更しろなどという人はいませんでした。今のやり方だと「不公平感」があるなどと文句をいう人もいませんでした。コンピュータの性能を制限すべきだなどという人もいませんでした。

プロ棋士がソフトにやすやすと勝てていたころ、プロ棋士がソフトと対局するのは意味がないとか、メリットがないとか言って対局をやめさせようとする人はいませんでした。「人間が将棋ソフトに負けることは、初めからわかりきっている」などと知ったかぶりを語る人もいませんでした。勝ち負けに「こだわる」のは馬鹿げているなどと、予防線を張る人もいませんでした。

ソフトが弱かったころ、ソフトとの対局には周到な「準備」が必要だから、そのための時間をよこせという人はいませんでした。ソフトを事前に貸し出せという人もいませんでした。ソフトの欠陥を調べ上げて、そこに付け込んで勝とうなどと考える人もいませんでした。入玉を妙案であるかのように得意げに語る人もいませんでした。


ソフトがプロ棋士なみに強くなったころ、将棋連盟は初めて対局禁止令を出しました。


プロ棋士がソフトに負けるようになると、何とかしてプロ棋士を勝たせようとして、ルール変更についての「斬新な」アイデアを考案する人がたくさん出てきました。

でもソフトが弱かったころ、ソフト側の人たちは誰ひとり「ソフトが何とかしてプロ棋士に勝てるようにルールを変更すべきだ」とは言いませんでした。持ち時間にハンデをつけろとも、「不公平感」があるとも言いませんでした。

投稿: 田舎初段 | 2013年5月17日 (金) 10時34分

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