森内俊之名人、深浦康市九段らの棋士も受検した10月21日の「将棋文化検定」
将棋連盟が「名人400年」を記念して初めて実施した「将棋文化検定」試験が、10月21日に東京・名古屋・大阪・高崎の計6会場で行われました。
日本の伝統文化である将棋に関する歴史、知識、雑学などを出題する試験で、棋力はまったく問いません。また、一般の受検者と一緒に多くの棋士が受検しました。棋士もアマも同じ立場で参加するところに特徴があります。9級から1級までのランクのうち、今回は9級・6級・4級・2級が対象でした。
写真・上は、東京の会場の試験前の光景。前列には右から森内俊之名人、深浦康市九段、その後列には右から中村太地六段、山田久美女流三段らの棋士が、神妙な表情で係員の説明を聞いています。この4人の棋士は、いずれも4級を受検しました。
なお、大阪の会場では豊島将之七段、糸谷哲郎六段、室谷由紀女流初段、名古屋の会場では鈴木大介八段、杉本昌隆七段、早水千紗女流二段、高崎の会場では藤井猛九段、三浦弘行八段、長沢千和子女流四段など、計25人の棋士が受検しました。
写真・中は、東京の会場の受付場所の光景。NHKの将棋番組のスタッフが受検者たちを取材していました。男性たちに交じって女性や子どもの姿を多く見かけました。
写真・下は、東京の会場となった調布市の明治大学付属高校・中学校。学内は緑がとても豊かで、校舎内の試験場もゆったりとしていました。ただ山手線の外側の郊外のうえに最寄り駅から遠く、交通の便が少し悪かったようです。
私は将棋文化検定の実行委員の1人として、今回の問題作成を担当しました。受検者たちが問題の内容や難易度にどんな感想を持ったのか、ぜひ知りたかったので東京の会場を訪れました。試験後に何人かの受検者に聞いてみたところ、「難しかった」という声が多く、「面白かった」という声もありました。
今回は「名人400年」を記念して、将棋界や名人の歴史に関する問題を多く出しました。日頃から将棋の歴史に関心を持っていないと、難しかったかもしれません。その一方で問題を通じて将棋の歴史を初めて知り、興味を抱いた方もいました。8月に発売された『将棋世界』付録の「将棋文化検定模擬試験」で勉強した方もいたようですが、同じ問題が少なかったとぼやいていました。
試験は1時間で終わり、参加した棋士によるトークショーが各会場で行われました。棋士がどんな感想を持ったのか、次回にお伝えします。
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