10月21日に実施される「将棋文化検定」の受検者を募集しています
将棋連盟は「名人400年」を記念して、「将棋文化検定」の試験を10月21日(日)に初めて実施します。日本の伝統娯楽である将棋の文化的な一面を、より多くの人たちに知ってもらいたいのが趣旨です。将棋が何年後かに義務教育の正式課目に採用されるのを見越して、歴史がある文化的な世界だということを広く伝える意図もあります。
私は将棋文化検定の実行委員会のメンバーの1人です。以前に「将棋世界」編集長を務めた経験から委員に委嘱されました。沼春雄七段も同様です。ほかの委員は広瀬章人七段、高田尚平六段、横山泰明五段。実行委員会は5月に発足し、検定試験の概要や普及方法について話し合ってきました。問題の作成も担当し、各委員で問題を持ち寄りました。将棋界の情報や知識に詳しい外部の人にも協力してもらいました。
将棋文化検定は9級から1級まで9ランクあり、今回は9級・6級・4級・2級の試験を行います。各級の問題はともに50題で、三択形式で解答を選びます。2級は記述式の問題が10題あります。今年は「名人400年」という記念の年なので、名人や名人戦、将棋の歴史に関する問題が多く出ます。そのほかは将棋界の情報、記録、雑学、対局マナーなどの問題です。9級では5割の正解率で合格します。級が上がるにつれて、合格への正解率は高くなっていきます。
将棋文化検定では、将棋に関する知識や雑学の問題が出ますので、棋力はあまり関係ありません。初級者、女性、児童の方たちの受検をとくに歓迎します。
将棋文化検定は10月21日(日)の14時30分から、東京・名古屋・高崎・大阪の5会場で実施されます。検定時間は各級ともに60分。検定料は、9級・1000円、6級・1500円、4級・3000円、2級・4000円。検定試験の終了後は15時45分から、各会場で多くの棋士が登場してトークショー、指導対局、お楽しみ抽選会が行われます。受検者はいずれも参加無料です。詳しい応募要項は、将棋連盟のホームページで確認してください。今月発売の「将棋世界」10月号、今週発売の「週刊将棋」9月12日号にも載っています。※受検の申し込み期限は9月末日。
文化的な検定試験はほかにも多くあります。中には優秀な成績を取って上級の資格を得ると、学校の内申書や会社の入社試験で評価されることもあります。来年以降の将棋文化検定では、受検者がさらに魅力を感じるような付加価値をどう付けるかが課題といえます。
では模擬試験として、私が次の5問題を出します。ABCの中から解答を選んでください(正解は末尾)。なお、この問題は将棋文化検定の試験には出ません。
①将棋を愛好した豊臣秀吉が京都の伏見城で行ったという将棋の催しは何ですか。
A・人間将棋 B・御城将棋 C・武将の将棋会
②徳川家康が設けた名人の発祥となった家元制度を何といいますか。
A・家元所 B・名人所 C・将棋所
③伝説の棋士・阪田三吉が主人公の映画「王将」で主演した俳優はだれですか。
A・三船敏郎 B・勝新太郎 C・石原裕次郎
④最年少記録の20歳で名人戦の挑戦者になった棋士はだれですか。
A・中原誠 B・加藤一二三 C・谷川浩司
⑤少年時代の羽生善治が憧れた女性芸能人はだれですか。
A・菊池桃子 B・小泉今日子 C・工藤静香
※正解は、①A②C③B④B⑤A。問題の解説は次回にします。
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