将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2012年8月21日 (火)

高輪の将棋連盟仮本部、櫛田陽一六段、連盟総会の傍聴、将棋道場についてのコメント

今回は、5月と6月に送られたコメントを紹介します。

「現在の将棋会館が建設中、高輪の旧・日本棋院(囲碁棋士の団体)の建物を借りて臨時の将棋連盟本部にしていたそうですが、かなり古色蒼然とした佇まいだったようですね」という内容のコメント(5月2日)は《オヤジ》さん。

東京・千駄ヶ谷の将棋会館が建設されたのは36年前の1976年(昭和51年)の春でした。その前の1年間は、高輪の旧・日本棋院の建物(第一京浜国道沿いで近くに泉岳寺)を借りて連盟の仮本部としました。割りと広い建物で、1階を事務室、2階を対局室に当てました。ただ古めかしいうえに近くに墓地があり、夜は少し気味が悪かったです。そういえば「開かずの間」もありました。その建物の使用の件で仲立ちをしてくれたのは、詰将棋界の後援者で自身も詰将棋作家でもあった、囲碁界にも顔が利いた故・七條兼三さんでした。

「私は櫛田陽一六段の四間飛車に憧れて(今も)振り飛車党になりました。角交換型振り飛車も良いですが、職人の匂いがする櫛田将棋は学生時代から大好きです」というコメント(5月15日)は《関東のホークスファン》さん。

櫛田六段への熱い応援に、師匠としてうれしく思います。その櫛田将棋は公式戦でもう見られませんが、8月3日のブログで書いたように、櫛田は「自分の四間飛車をだれかに伝えたい」との思いを強く持っています。弟弟子の井出隼平三段が受け継いで四段に昇段すれば(井出は現在、三段リーグの昇段争いで9番手)、とてもうれしいのですが…。

「田丸八段が櫛田さんにプロ入りを勧めたのですね。あの雑誌の81番勝負の企画が半ばで終わった疑問が解けました」というコメント(5月26日)は《帯月》さん。

1983年(昭和58年)の夏。アマ棋界の情報と将棋を満載した『将棋ジャーナル』誌で、アマ棋戦で大活躍していた当時18歳の櫛田が、関則可、高野明富、宮沢巧、加部康晴、中村千尋、野山知敬、金子タカシ、谷川俊昭、野藤鳳優、横山公望(以上の人たちの敬称を略します)など、81人のトップアマと対戦する「くしだ君の全国武者修業」という連載企画が始まりました。ところが櫛田は、私の強い説得に応じて同年秋の奨励会入会試験を受けて合格したので、企画は40番の時点で中止となりました。戦績は櫛田の35勝5敗でした。櫛田は40番目の将棋の自戦記で「自分の将棋がプロの頂点に立つ人間にどこまで通じるか試してみたい」と書いたものです。

「6月の将棋連盟の総会を傍聴したのは、連盟と利害関係を持つ特定のマスコミだったのですね。残念です」という内容のコメント(6月18日)は《Masa》さん。

今年の連盟総会では、議事の模様をマスコミにすべて公開しました。それは初めてのことで、昨年までは冒頭の5分間だけでした。主な傍聴者は、棋戦担当者が加盟する東京将棋記者会のメンバーでした。それは連盟との利害関係にかかわらず、普通のことだと思います。例えば、首相の記者会見では首相の番記者が取材し、芸能記者はいません。芸能人の記者会見では芸能記者が取材し、政治記者はいません。ただ連盟が良くも悪くも社会的に注目される団体でしたら、将棋記者以外に社会部などの記者が総会に来たかもしれません。

「将棋道場は底辺拡大になくてはならない存在です。私が在住する岐阜の道場は入場料が500円で、経費を引いたら儲けは出ないと思います。本当に頭が下がる思いです。私もネット将棋をやめて将棋道場に行こうと思います」というコメント(6月29日)は《こうめい》さん。

将棋道場が存続できるように、ぜひそのようにお願いします。

「私は30年以上前に東京の中央線沿線に住んでいて、中野や阿佐ヶ谷の将棋道場に行きましたが、高円寺の将棋道場の記憶はありません。どこにあったのですか。後年には高円寺駅の近くの喫茶店で、森本レオさんと将棋を指したことがあります」という内容のコメント(6月26日)は《なべよ》さん。

高円寺駅のホームから見える南口のビルに、将棋道場の看板がかかっていたのを私は覚えています。15年以上前のことで、すでに閉店しています。高円寺に長年にわたって住んでいる俳優の森本レオさんは熱狂的な将棋愛好家で、駅の近くの喫茶店でよく指していました。今は行きつけの酒場で指しているようです。

|

裏話」カテゴリの記事

コメント

櫛田六段の四間飛車は藤井・久保・鈴木各先生とは違う独特の振り飛車でした。個人的に一番勉強になりました。NHKでは女王相手に47歩と垂らし間に合わせてしまいますし、惜敗でしたが森下先生には居飛穴相手にこれぞ捌き!の将棋を見せてくれました。親交のあるプロも櫛田さん相手に対抗型は避ける、と言ってました。絶滅寸前と言われて久しい戦法ですしアマチュアには根強い人気が有りますから、是非とも『世紀末四間飛車・実戦集』の刊行を首を長くして待ちたいと思います(笑)

投稿: 関東のホークスファン | 2012年8月24日 (金) 01時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/545452/55474831

この記事へのトラックバック一覧です: 高輪の将棋連盟仮本部、櫛田陽一六段、連盟総会の傍聴、将棋道場についてのコメント: