将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2012年5月 7日 (月)

東京体育館での「職団戦」で「名人400年」を記念して400 人に指導対局

東京体育館での「職団戦」で「名人400年」を記念して400<br />
 人に指導対局

東京体育館での「職団戦」で「名人400年」を記念して400<br />
 人に指導対局

東京体育館での「職団戦」で「名人400年」を記念して400<br />
 人に指導対局

今年は「名人400年」を記念して、様々な催しが各地で開かれています。4月28日に東京体育館(千駄ヶ谷)で開催された第101回職域団体対抗戦(職団戦)では、参加した選手たちの中から抽選で「400人」に指導対局が行われました。

写真・上は、会場の東京体育館。今回は370チーム(各5人)が参加し、S・A〜Fの7クラスに分かれて熱戦が繰り広げられました。指導対局コーナーは、写真の奥のほうに設けられました。

指導棋士は、加藤一二三九段、大内延介九段、塚田泰明九段、森下卓九段、私こと田丸昇八段、中田宏樹八段、中川大輔八段、日浦市郎八段、伊藤果七段、土佐浩司七段、中座真七段、櫛田陽一六段、 田村康介六段、宮田敦史六段、中村亮介五段、長岡裕也五段、阿部健治郎五段、及川拓馬四段、門倉啓太四段、伊藤真吾四段など、計40人。タイトル経験棋士、ベテラン棋士、中堅棋士、若手棋士と幅広い顔ぶれです。

指導対局は午後から始まり、各棋士は5面指しを2回に分けて行いました。1人あたり計10局で、合計すると400局になります。

写真・中は、加藤九段の指導対局の光景。観戦者が最も多く、加藤のおどけた表情と様子を見て笑い声がよく起きました。加藤は「これは取る一手」「さあ、王手だ」「ウヒョー、困ったな」 などと言いながら指し、まるで縁台将棋のような雰囲気でした。角落ちの手合いで負かした相手には「私に角落ちで勝つのは大変ですよ。今後は飛香落ちぐらいで習ったらどうですか」と語り、暗に手合い違いだという口ぶりでした。

手合いは基本的にアマ側の希望で決められました。以前の指導対局では、かなり強い人でも角落ちが相場で、どうしても「平手」で指したいときは遠慮がちに希望したものです。しかし近年は、堂々と「平手でお願いします」と言う人が多くなりました。中には平手を拒否する棋士もいますが、私は受け入れることにしています。普段は平手ばかり指している人が、慣れない駒落ち定跡を用いて実力を発揮できないことがよくあるからです。

写真・下は、私の指導対局の光景。10局のうち4局が平手の手合いでした。相手の戦型は3局が「ゴキゲン中飛車」と「振り飛車穴熊」(写真の対局)。いつも得意にしている戦法でプロ棋士と指して、どこまで通用するだろうか、という感じを受けました。もともと指導対局は勝負を争うわけではありません。アマがプロとの平手戦で勉強になれば、大いに結構なことだと思います。

じつは、後半の私の指導対局で1人分の空席が生じました。せっかく抽選で当たったのに、急に都合が悪くなって帰ったのかもしれません。それともお目当ての棋士ではなく、私では不満だったのかと、ふと思ってしまいました。

|

盤外ひととき」カテゴリの記事

コメント

田丸先生,加藤一二三先生をはじめとする棋士の皆様,お疲れ様でした。400人のアマチュアが棋士の指導を受けたことになりますから,大変なことです。皆さんにとって良い思い出になったことでしょう。
(田丸先生の指導を受ける方が,一人欠席してしまったようですが・・・)

ところで,加藤先生は,さすがは「神武以来の天才」だけあって70を超えてもバリバリと指し,ファンサービスにも抜かりはないようで「凄い」の一言ですね。

加藤先生が,聖路加病院の日野原先生のように末永くご壮健で将棋界に貢献なさることを祈念します。

投稿: オヤジ | 2012年5月 8日 (火) 12時19分

指導対局で平手を希望する人が増えているそうですが、これは驚きです。
私は田丸先生に二枚落ち〜飛香落ち〜飛車落ちで数十局ほど教えて頂きました。また他のプロ棋士にも相当数の指導を受けました。
私がプロの先生方の胸をお借りしたのは、強くなりたいとの気持ちもありましたが、それ以上にプロの技、プロの感覚に直に触れてみたいと思っていたからです。
その為には相応の手合いで指導を受ける事が絶対に必要だと思います。尤も、私の対プロ戦の勝率も、おそらく1〜2割程度だと思いますので、対等の手合いではなかったのかも知れませんが、その大半はかなりまでプロを追いつめる事は出来ました。
しかし、そこからプロの真髄に触れる事になります。受けの技、かわしのテクニック、それは単に強いと言うだけのものではありませんでした。私はアマの強豪にも何度も教えて頂きましたが、アマとは質が違うのです。違う感覚なのです。その感覚に触れる度に深く感動した事を想い出します。勝ち負けよりも、その感動こそが無常の幸福でした。
私も芸術を生業にする者の端くれですが、プロのギリギリ(ではなかったのかも知れませんが)の一手は一流の芸術に触れるのと同じ感動を 与えてくれました。
せっかくプロの指導が受けられるチャンスだったのに、平手(欠席は論外)の対局では、その感動は味わえません。
勿体ない事ですね。

投稿: ギタリスト | 2012年5月 8日 (火) 13時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/545452/54654538

この記事へのトラックバック一覧です: 東京体育館での「職団戦」で「名人400年」を記念して400 人に指導対局: