『実録 名人戦秘話』への友人たちからのコメント
私の新刊書『実録 名人戦秘話』について、友人たちからのコメントを紹介します。
「第4章がいちばん楽しみですね。大山先生(康晴十五世名人)との桂損した棋王戦挑戦者決定戦、生涯一度の羽生(善治二冠)戦での勝利、ともにA級昇級をかけて戦った横歩取り△3三桂の島(朗九段)戦、長手数の詰みに打ち取られたA級順位戦での米長(邦雄永世棋聖)戦などですか。爆弾を抱いて敵陣に飛び込むような田丸将棋には、戦後日本の香りがあったのでは?」という内容のコメント(12月20日)は《K島》さん。
第4章の「思い出の対局」では、40年間の棋士人生でとくに思い出が深かった対局のエピソードを紹介しました。前記の大山戦、羽生戦、島戦、米長戦などです。しかし何といっても今日の自分があるのは、四段昇段をかけて争った2度目の「東西決戦」での勝利でした。もし負けていたら、「元奨励会員」という肩書がついたかもしれません。多くの奨励会仲間が志半ばで去っていったことを思い起こすと、私が棋士としてずっと生きてこれたことに喜びを感じています。ところで近年の田丸将棋は、敵陣に飛び込む前に自爆したり、不発弾のままで負けることが多々あります。《K島》さんは、私のテニス友達で、独特のテクニックを生かして草テニスの大会で活躍しています。
「田丸八段の著作やブログを読むたびに、文章力と表現力は一流であると敬服しております」というコメント(12月20日)は《ギタリスト》さん。
私の文章へのお褒めの言葉、ありがとうございました。文章を書くときは、平易な言葉でわかりやすく伝える、ということをいつも心がけています。《ギタリスト》さんは、私が以前に指導していた横浜の将棋同好会のメンバーで、ハンドルネームそのままにクラシックギターの奏者・指導者です。私とは飛車落ちの手合いで何局も指しました。理想の勝ち方をめざす求道的な将棋です。
「第4章の10篇はどれも大変興味深く、人生の浮き沈み、そのときの素直な気持ちが淡々と綴られていて、とても清々しい気持ちになりました。克明な記録を元に棋士でなければ知り得ないことなど満載で、まさに田丸八段の棋士人生の集大成本といえます」というコメント(1月3日)は《秋葉均》さん。
《秋葉均》さんは、私の中学時代の同級生です。当時はほとんど付き合いがなかったのですが、20代半ばのころに将棋を愛好しているという縁で再会しました。その後、彼が勤めていた出版社の将棋同好会で私が指導することがありました。
40年間の棋士人生を振り返ってみると、これらのように将棋が取り持つ縁でいろいろな出会いがあったものでした。
今年の年賀状では、私の新刊書について次のような感想がありました。
「田丸史と名人戦史がオーバーラップして描かれているんですね」「田丸八段の新刊書と漫画『ハチワンダイバー』を並行して読んでいます。漫画の元ネタエピソードが『実録 名人戦秘話』に載っていて面白いです」「星田先生(啓三八段)のことを書いていただき、ありがとうございました。毎年、お墓参りしてますので報告してきます」「昨年夏の札幌での将棋まつりではお世話になりました。『実録 名人戦秘話』での札幌のエピソードも興味深く読みました」
次回は、元奨励会員のカメラマンの写真集。
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