将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2011年9月 5日 (月)

親子棋士、NHK将棋講座、データベースなどのコメントへの返事

「囲碁界では親子棋士の例が非常に多いのですが、将棋界では親子で棋士になった方はいるのでしょうか」というコメント(8月9日)は《将棋太郎》さん。

将棋界で親子棋士は、木村義雄十四世名人・木村義徳九段、神田辰之助九段・神田鎮雄七段、板谷四郎九段・板谷進九段、西川慶二七段・西川和宏四段と、4組あるだけです。囲碁界に比べて少ないのは、棋士になるハードルが高いことも一因でしょう(囲碁は初段から、将棋は四段からプロ)。なお木村九段は父親があまりにも偉大だったので門下に入らず、同じ早稲田大学の出身というよしみで加藤治郎名誉九段の弟子になりました。

「田丸八段が講師を務めたNHK将棋講座は覚えています。確か前任は原田泰夫九段だったと記憶しています」というコメント(8月13日)は《カクザン》さん。

私がNHK将棋講座を担当したのは1983年(昭和58年)でした。あの当時の講師は4月から翌年3月まで1年間の期間でした。私は「将棋は攻め・この手で勝とう」というテーマで、実戦的でユニークな戦法を解説しました。聞き手のアシスタントは藤森奈津子女流四段(当時初段)が務めました。原田九段が将棋講座を担当した時期は、もっと前の76年でした。それ以降は、真部一男九段、森けい二九段、西村一義九段、石田和雄九段、大内延介九段、青野照市九段、内藤国雄九段が務め、その後が田丸でした。

「対局をネット観戦していると、控室の記者たちがデータベースで検索し、過去の同一局面は○○戦第◆局などの前例があって△勝▲敗の勝率、といった記録を基にしてよく書いています。私たちのような一般の将棋ファンは、そのデータベースにアクセスできないのでしょうか。また、どのように管理されているのでしょうか」というコメント(8月15日)は《しおんの王☆》さん。

新聞の観戦記やネット中継の解説を見ると、データベースで検索した過去の実戦例や勝敗を伝える文章をよく見かけます。現代の流行型であることを示したり、指し方の有効性を確かめるうえで、なかなか興味深いものがあります。プロ野球中継でも、「A打者は外角高めの直球への打率が高い」「B投手は5回以降は変化球が多い」など、記録を基にした解説は現実味があります。しかし将棋でも野球でも、記録ばかりを主体にした解説は面白くありません。近年は同一の流行型が何局も指される傾向があり、そのうえに観戦記も同じような形式の文章では興醒めとなります。

将棋連盟は、約35年前からの公式戦の全棋譜をデータベース化しています。年月日順、棋士別、棋戦別、特定の対戦、特定の戦型と局面など、目的に応じて記録をすぐに取り出すことができます。研究したり調べるうえでとても便利です。このデータベースにアクセスするには、連盟に申請して会員になる必要があり、入会金と年会費がかかります。ただし棋士、観戦記者、棋戦関係者など、連盟関係者しか認められません。あくまでも主旨は、研究と情報取得です。一般公開するには、棋譜著作権の関係で難しいのです。

「とても気になっていることがあります。フリークラス棋士や年間10局程度の対局しかされない棋士は、普段はどのように過ごされているのでしょうか。伊藤果七段は詰将棋の作成、所司和晴七段は中国将棋の大会に参加など、対局以外の活動に力を入れている棋士もいます」というコメント(7月19日)は《AKI》さん。

フリークラス所属で対局は年間10局程度という棋士の1人は、まさに私のことです。つまり、あまり勝てなくて対局が少ない棋士は、対局以外の日にどんな生活を送っているかという質問ですね。それは、棋士によってもちろん違います。私にも自分の生活スタイルがあります。改めてブログのテーマにしましょう。

次回は、棋士の日常生活について。

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コメント

田丸先生の興味深いお話、いつも楽しみに致しております。去る9月3日に発売された「将棋世界」の連載にある、森内名人・渡辺竜王・羽生二冠・久保二冠・広瀬王位・佐藤九段・谷川九段らの対談で、我が子をプロ棋士にできる可能性云々が言及されていましたが才能や意志のみならず、運やチームワークも必要不可欠なんですね。

いわゆるフリークラス棋士の日々の生活は、私も気にかかっているのですが、田丸・昇・獅子丸・ロン毛丸・ライオン丸先生のように、40年以上トーナメントプロを続け、棋士としての本分をまっとうした先生は、悠々自適に暮らしても世の中や親族に責められることは無いはずです。
先生の対局での輝かしい勇姿は、まだまだ色褪せていないと確信しております。

投稿: 柳 | 2011年9月 7日 (水) 05時14分

いつも興味深い話をありがとうございます。親子棋士の件ですが
加藤博二九段のお父さん(竹次郎さん?)も棋士だったみたいですね。
順位戦参加棋士ではないので省かれたのかもしれませんが?

投稿: 田舎天狗 | 2011年9月 7日 (水) 16時58分

データベースのご回答有難うございます。

私が少年時代に田丸先生が将棋講座をされていたのは
拝見しており、印象に残っています。その他で印象に
残っているの先生は少ないのですが内藤先生です。
藤森さんを「なっちゃん」と呼ばれていたと記憶して
おります。藤森さんのはにかんだ笑顔も印象に残って
います(笑)。

ところで先生、またまた質問なのですが…。
NHKの将棋講座の人選は誰がどのようにされているの
でしょうか?
杉本七段が講師をされていた時は、弟子の室田さんを
指名したように記憶しています。現在の山崎七段は
鈴木アマを指名したとは思いにくい(笑)のですが。
来月から変わるでしょうし、既に録画はしている頃
だと思いますが、連盟?NHK?の誰がどのにょうに
人選をしているのでしょうか?

また機会がございましたら教えて下さい☆

投稿: しおんの王☆ | 2011年9月 9日 (金) 17時28分

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