日本将棋連盟は本年の4月1日付で「公益社団法人」となりました
社団法人・日本将棋連盟は、内閣府から「公益社団法人」と認定され、本年の4月1日付で公益社団法人への移行登記をして、新たなスタートを切りました。連盟会長の米長邦雄(永世棋聖)は、「日本将棋連盟は将棋にお仕えする団体であることを関係者一同が確認し、対局と普及活動に努めることを全員で誓います」とのコメントを発表しました。
内閣府の主導によって、2008年から「公益法人制度改革」が実施されています。すべての財団法人・社団法人(全国で計24000法人)は、2013年11月までに「新公益法人」か「一般法人」への移行を選択して、内閣府に申請する必要があります。
将棋連盟は昨年の11月、公益社団法人に移行するための認定申請書を内閣府に提出しました。認定を受ければ、公益性が高い団体として税制面で優遇されます。連盟に寄付をした団体・個人も税制面で優遇されます。ただし公益社団法人と認定されるには、いくつかの厳しい条件があります。主たる事業を公益目的にする、運営面が公平で透明性がある、特定の人(連盟の場合は棋士)が特別な利益を受けない、などです。そのほかに、相撲界で問題になっている「八百長」などの不正行為も決してあってはならないことです。
連盟は内閣府に申請するにあたり、様々な改革案を決定しました。各界の識者など外部の人を理事にする、タイトル経験者・四段以上の女流棋士を正会員にする(現時点で9人)、棋士の待遇を抜本的に改めてその差額を基金にして普及活動に充てる、などです。かなり思い切った改革案でした。とくに私たち棋士にとっては、待遇面で減収や負担増がともないました。これに至る経過や詳しい話は、ブログのテーマとして改めてお伝えします。
連盟は東日本大震災で被災した人たちを支援するために、3000万円の義援金を日本赤十字社を通じて寄付することにしました。そのほかに、棋士たちの義援金も寄付されます。さらに連盟は4月3日から9日までの1週間を「東日本大震災チャリティー週間」とし、タイトル保持者らの棋士が率先して各地でチャリティーイベント、街頭募金などの活動を行います。お近くの方や時間があって行ける方は、ぜひご協力のほどをお願いします。
4月3日には、大阪の関西将棋会館でチャリティーイベントが行われ、久保利明二冠、谷川浩司九段、里見香奈女流三冠らが参加しました。
4月5日には、東京・渋谷駅南改札西口で街頭募金(8時~9時)が行われ、羽生善治名人、広瀬章人王位、森内俊之九段らが参加します。千駄ヶ谷駅の周辺でも街頭募金(11時50分~12時50分)が行われ、渡辺明竜王、佐藤康光九段らが参加します。また同日には、東京の将棋会館でチャリティーイベント(10時~17時)が行われます。
4月7日・8日(木・金)には、第69期名人戦(羽生名人―森内九段)第1局の現地大盤解説会が東京・目白「椿山荘」で行われ、入場料(1日券・2000円、2日券・3000円)は義援金として寄付されます。
4月9日(土)には、東京・新宿駅東口交番前広場で街頭募金(12時~16時)が行われ、女流棋士会長の関根紀代子女流五段、矢内理絵子女流四段、斎田晴子女流四段らが参加します。
次回は、羽生名人がある講演でテーマにした「米長哲学」。
| 固定リンク
「裏話」カテゴリの記事
- 6月8日に開かれた日本将棋連盟の通常総会(2018.06.19)
- 5月29日の日本将棋連盟の通常総会で報告された三浦九段の冤罪問題の後始末(2017.06.06)
- 4月27日の連盟理事予備選挙で佐藤九段、森内九段、清水女流六段など7人が内定(2017.04.28)
- 田丸が三浦九段と半年ぶりに再会。将棋連盟の理事選挙での立候補者たちの公約(2017.04.21)
- 将棋連盟の理事制度と理事選挙について(2017.03.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント