将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2010年11月19日 (金)

今は駒作り、田丸の著書、新宿将棋センターなどのコメントへの返事

コメントへの返事

「昔、将棋を教えていただいた、頭金クラブの中沢です。私は定年になりまして、今は駒作りで生計を立てています。これまでに約120組の盛り上げ駒を作り、ヤフーオークションに出品しています。将棋を指すほうはからっきしだめですが、頑張って将棋に携わっています」という内容のコメント(7月16日)は、《田丸さんご無沙汰しています。中沢です。》さんこと横浜の中沢定夫さん。

私は20代の若手棋士だった約35年前、横浜の「頭金クラブ」という将棋同好会を指導していました。メンバーはギタリスト、スナックのマスター、証券マンなどで、会社員の中沢さんもその1人でした。会の名称は、頭金で詰まされるまで頑張ろう、という意味でした。みなさんは将棋が大好きで、指導対局が終わってメンバーのスナックに行っても、当日の将棋の反省や自慢を熱く語りました。半年に1回は伊東の別荘で合宿しました。将棋以外の話でも盛り上がり、私はそんな和やかな雰囲気が楽しかったです。

写真は、当時の中沢さんが作った珍しい黒地の駒。生地は黒檀で、書体は「隷書」。かなり堅い材質なので、ひとつの駒を彫るたびに工具のノミを取り替えた労作でした。中沢さんは昔は趣味だった駒作りを今は仕事にしていて、まさに「技は身を助ける」ですね。なお、この駒の写真は35年前に『近代将棋』誌の表紙を飾りました。

「私が中学時代、田丸八段の著書『縁台将棋必勝法』があまりに面白い内容なので、友達に読ませたいと思って貸したら、そのまま返ってこなくなりました。密かに復刊を期待しています」という内容のコメント(10月30日)は《てんなん》さん。

私が31年前に初めて出した著書が『縁台将棋必勝法』でしたが、出版元が直後に倒産して初版で終わりました。じつは約20年前に同じ内容のものが『ハイテク将棋必勝法』と改題され、棋苑図書から刊行されました。《てんなん》さんが私の本をご所望でしたら、出版元に問い合わせてみてください。もし絶版か在庫がない場合、将棋連盟気付で田丸宛てに封書を送ってくれれば相応に対処します。私の手元には初版本が少し残っています。

「昔は週末に新宿将棋センターで夜の12時まで指し、将棋仲間と近くの将棋酒場(リスボン)で朝まで指して始発電車で帰ったものでした。伝説の真剣師で知られた小池重明(元アマ名人)、米長(邦雄永世棋聖)一門の先崎学(八段)、林葉直子(元女流棋士)など、懐かしい名前が浮かびます」という内容のコメント(11月4日)は《オンラインブログ検定》さん。

私は約20年前まで新宿将棋センターで定期的に指導対局をしていました。そこで小池さんを何回か見かけました。常連客と「真剣」をよく指していて、四、五段クラスに飛車落ちと、上手の小池さんにかなりきつい手合いでした。脇には後援者みたいな人がいました。小池さんが勝てば半々で分け、負ければその人が代わりに払う取り決めだったようです。でも小池さんは、たいがい勝ちました。

約30年前に師匠の米長宅で内弟子をしていた10代はじめの先崎と林葉は、学校の帰りに新宿将棋センターに寄って強豪アマと指して勉強しました。先崎は2歳年上の林葉より将棋は強くても、姉弟子には付き従う感じで服従していました。

次回(11月24日)は、3年前のその日に病死した真部一男九段のこと。

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コメント

田丸先生、私ごとき者のコメントに懇切丁寧な対応をいただき誠にありがとうございます。また、「縁台将棋必勝法」が生まれ変わって刊行されていたというお話はとても参考になりました。
ネット通販にて、「ハイテク将棋必勝法」を発注いたしました。2~3日中には入手できると思います。??年ぶりに、この本で再び勉強させていただきます。
将棋を覚えたばかりで、とにかく指すことが楽しかったあの頃の「熱」みたいなものが再び蘇りそうです。

投稿: てんなん | 2010年11月19日 (金) 23時24分

田丸先生。
ご無沙汰しております、「頭金クラブ」の遠藤です。

田丸先生に将棋を教わった当時の事は本当に懐かしい想い出です。
残念ながら、棋力はさっぱり上がりませんでしたが、今もって田丸先生の指導を受けた事を唯一の誇りに思っています。
最近は将棋を指す機会もめっきり減ってしまいましたが、大事に保存している指導対局(二枚落ち、飛香落ち、飛車落ち)の棋譜を時々は並べて楽しんでいます。

中沢(蛍雪)さんが、駒師になった事は友人としても大変嬉しい事です。黒檀の駒の制作記念として「歩」1枚を頂きましたが、今でも大切に保管しています。
また機会があれば、田丸先生を囲んで蛍雪作の盛り上げ駒で将棋会を催せたらと思っています。

(頭金クラブの名称の由来は、頭金まで粘ろうと言う殊勝な精神ではなく、頭金を指されるまで負けに気が付かない程度のレベルのメンバーと言う事で付けたものです。笑)

                       遠藤。

投稿: ギタリスト | 2010年11月20日 (土) 12時21分

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