本ブログは1周年を迎えました。ご愛読ありがとうこざいます
このブログは昨年の10月1日に始まり、本日で1周年を迎えました。これまでのご愛読を感謝いたします。どうか、今後もよろしくお願いします。
私はアナログ型の人間です。原稿を書くときは、以前は鉛筆(2B)での手書きでした。10年前からは、今では骨董品のようなワープロを使っています。遅まきながらパソコンを始めたのは3年前でした。そんな私がブログをするとは夢にも思っていませんでしたが、友人に勧められて昨年の秋に開設しました。
ブログを始めるにあたり、ほかの人たちのブログを見ました。とりわけ文化系の人や若い女性のブログは、全体的に華やかな感じでした。日々の生活、仕事、趣味、交友、旅行、食事などの話が綴られ、豊富な写真がそれを彩っていました。自分のことをふと振り返ってみると、日常生活にあまり変化がなく、本業の将棋は「開店休業」のような状態です。ブログで日々の生活や将棋の勝負を題材にすると、語ることがあまりないのです。
会合や酒場で将棋を知らない人と話すと、「何手先まで読むんですか」「対局中はトイレに行けますか」「収入はどこから得ていますか」などと、いつも聞かれます。将棋を指さなくても、将棋界や棋士の実態には意外と興味があるようです。また将棋ファンの中には、棋力の向上よりも将棋界の裏話に関心が高い人もいます。
そこで私はこのブログで、現役棋士として将棋界の様々な問題や話題を現場レポートしてみようと思いました。これまでにタイトル戦の将棋、対局中の裏話、棋士のエピソード、将棋界の歴史、制度や規則の説明、将棋愛好家の著名人の紹介、田丸の将棋人生など、自分の知る範囲で盤外の話をいろいろと書きました。いわば「評論ブログ」で、ほかの将棋関係のブログにはない内容だったことから、おかげさまで好評のようです。
ブログをして最も楽しみなのは、読者からのコメントです。昨年12月に竜王戦で有望な若手棋士に勝ったときは、多くの祝福コメントが寄せられて、とてもうれしかったです。私が忘れていた昔の話を書かれ、驚いたこともありました。ネット上とはいえ、こうして将棋ファンと交流するのは意義があると思います。中には厳しい批判の声もありますが、現実を踏まえて受け止めています。
「このブログは客観的な部分が主で、アカデミックな感じがして好きです。読者の質問に答えるのも良い企画だと思います」というコメント(9月28日)は『ムーミンパパ』さん。ありがとうございます。今後も、田丸と読者の関係が「双方向」となるような内容にしたいです。みなさんのコメントをお待ちしています。
ブログ更新は週2回(月・木か火・金)で、多からず少なからずの頻度でしょう。1回あたりの文章が長めなので、多忙だと大変なこともあります。しかし、更新日と翌日のアクセス数が増えるのを管理画面で見ると、さぼらないで書き続けようと思います。5月の連休やお盆休みに更新を週1回にしたときは、友人から「旅行でも行っていたの?」と言われました。私の親族などは、還暦になった私の健康が心配なのか、ブログ更新で「生存確認」しているようです。
次回は、田丸の少年時代の話。
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コメント
田丸さん、ブログ開設1周年おめでとうございます。
私は「将棋を指さない将棋ファン」です。
棋譜に関する内容は良く解りませんが、将棋界には興味があるので、毎週2回をとても楽しみにしています。
文章を書くことは本当に難しいと思います。
無駄な言葉は無く、簡潔で誰にも分りやすい田丸さんの文章は、「ムーミンパパ」さんのおっしゃるように、「アカデミック」という言葉がぴったりだと思います。
お酒がお好きだと聞きました。
ほどほどにして健康管理に気をつけ、末永くブログを続けてください。
こちらこそ、ありがとうございました。
投稿: マチュピチュ | 2010年10月 1日 (金) 16時08分
ブログ一周年おめでとうございます。田丸先生のブログは将棋に詳しくない方でも興味深く読めると思います。日本人の不得意分野が広報であると思いますが、客観性を持って将棋界を見れる田丸先生のような方が、将棋界の発展において最も必要だと思います。これからも活躍してくださる事を願ってます。
投稿: ケイ | 2010年10月 1日 (金) 20時09分
ブログ開設1周年おめでとうございます。
僕はとても棋力の低い、「観戦」専門の将棋ファンです。
自分で将棋を指すと何をしていいかわからなくなることばかりですが、
プロ棋士の対局を観戦するのはとても楽しいです。
ミーハーな性格なのか、現在活躍している棋士の方々や、
歴史上の大棋士の個性やエピソードにはとても興味があります。
そういった雑学がまたスパイスのようになって、より深く観戦を楽しめます。
将棋雑誌や各種メディアでは未だ紹介されていないような
お話を読めるこのブログは大好きです。
僭越ですが、田丸先生の活動は将棋の普及に
確実に役立っているのではないかと考え、ひっそりと応援しております。
これからも毎週、読ませていただきたいです!
頑張って下さい。
投稿: イトウ | 2010年10月 1日 (金) 22時45分
一周年おめでとうございます。
棋界のウラ話など興味深いことばかりで、毎週楽しみに見させてもらっております。
今後とも末永くブログを続けてくださることを願っております。
投稿: けいま | 2010年10月 1日 (金) 23時06分
一周年おめでとうございます。
自分も田丸先生のブログを楽しみにしている一人です。
自分は日本文化の中で、将棋が一番素晴らしいと思っています。
勝つことの華やかさ、負けることの残酷さ、そこから生まれる美意識のようなもの。すべてが相俟って何とも言えない魅力があります。
これに近いのは、柔道や剣道といった武道ではないでしょうか。
ただ、柔道に関しては、国際化の過程で妙なルール改正(改悪?)が繰り返され、その魅力が損なわれたように感じます。
将棋も海外普及を行っているようですが、柔道のようにならないか心配です。
将棋界が今後も美しい世界であり続けますよう、田丸先生の御健勝とともに祈ってます。
投稿: ピンポン | 2010年10月 2日 (土) 04時31分
ブログ1周年おめでとうございます。
盤上、盤外、とにかく内容が面白く更新を楽しみにしています、
それから12歳のお弟子さんのことも我が事のように嬉しかったです(勝手にすみません 笑)
将来が楽しみですね、今後も注目して応援させていただきます。
投稿: 中華そば つむじ軒 | 2010年10月 2日 (土) 13時07分
ブログ開設一周年おめでとうございます。
いつも読み応えのある記事を提供して下さり、有難く思っております。私のようなオールドファンには、昔の話が特に面白く感じます。田丸八段は、大山先生はもちろん、升田先生とも対局をされた事がおありですね。その時の大先生方のご様子などいつか書いて頂ければ嬉しいです。これからも頑張ってください。
投稿: 五平餅 | 2010年10月 2日 (土) 16時33分
ブログ一周年おめでとうございます。コメントの質問などにも答えてくださって、プロ棋士の方を身近に感じられるようになりました。今後も楽しみにしてます。
投稿: 手塚 | 2010年10月 2日 (土) 21時08分
初めてコメントさせていただきます。
遅くなりましたが、一周年おめでとうございます。
棋士の方のブログを色々探して読んでいて、田丸先生のブログは一ヶ月程前から読ませて頂いています。
非常に独特と言いますか、過去の記事も遡って夢中で読ませていただきました。
このまま書籍として発行してもおかしくない、密度の濃い内容のブログだと感じました。
良いブログに出会え、田丸先生に感謝です。
お身体に気を付けて、これからも頑張って下さい。
投稿: 柴田 | 2010年10月 4日 (月) 01時10分