福島・裏磐梯の民宿で山菜、竹の子の山の幸を満喫
私は6月下旬、友人たちと一緒に福島・裏磐梯に旅行しました。東北自動車道・郡山、猪苗代を経て「磐梯山」の東山麓を北上し、「檜原湖」の北東にある早稲沢温泉の民宿「森川荘」を初めて訪れました。檜原湖の周辺は四季それぞれに自然が美しく、冬は完全結氷した湖面でワカサギの穴釣りをするのが風物詩になっているそうです。
「シクラメンのかほり」「愛燦燦」などのヒット曲を作詞したシンガーソングライターの小椋佳は大学時代の夏休み、早稲沢に滞在して豊かな自然に魅了され、当地に小椋の姓が多いので、後年にペンネームにしたそうです。私たちが泊まった民宿の主も小椋でした。
私たちは民宿に着くと、釣り・山菜採り・散策と自由に過ごし、源泉かけ流しの温泉で汗を流してから夕食を迎えました。旅館のようにマグロ刺身や肉料理は出ませんが、山や畑で採ったばかりの山菜の料理が数多く並びました。当地は標高850メートルなので6月でも採れます。山菜はタラノメ、ワラビ、フキ、山ウド、ミズ、ミョウガなどと豊富で、山の幸を満喫しました。根曲(ねまがり)竹の炊き込みご飯も美味しかったです。
こうして山里の料理を肴に地酒や焼酎を飲んでいると、まるで時間が止まっているような雰囲気で、日々の雑事から解放されて命の洗濯をした気分です。友人が強く勧めてくれた理由がわかりました。有名な観光地に行くだけが旅行ではない、と改めて思いました。
ちなみに、この民宿ではビール以外のお酒は無料で飲み放題で、宿泊代は7000円でお釣りがきます。夏にはある大学の陸上部が合宿します。2年前の北京五輪で長距離走(1万、5千メートル)の代表選手になった赤羽有紀子も、この民宿を最終合宿地にしました。
翌日は檜原湖の南東にある「五色沼」に行きました。磐梯山は約120年前に大噴火を起こし、周辺に檜原湖をはじめとした数多くの湖沼群を作りました。五色沼もそのひとつです。毘沙門沼、青沼、赤沼、るり沼などが点在し、片道約1時間の自然探勝路が沼に沿っています。それらの名称のように、沼に溶け込んでいる鉱物や光の具合によって水面がいろいろな色に見えます。写真は、最も大きな毘沙門沼で、背景には磐梯山。山容が少し凹んでいるのは、噴火によって岩石が飛び散ったからです。
私は16歳のころ、師匠(佐瀬勇次名誉九段)に連れられて東北の将棋大会に行った帰りに五色沼に寄りました。ただ44年前に感じた秘境のような印象とは、やや違っていました。大型バスが引っきりなしに来て、観光地化されているからかもしれません。
私は、帰途は友人たちと別行動しました。民宿に連泊した翌日、磐越西線・猪苗代〜会津若松、会津鉄道・会津若松〜新藤原のルートで乗車、東武日光線、JRと乗り継いで帰京しました。お目当ては、会津鉄道の車窓から見る景色でした。約30年前に沿線の栃木・川治温泉に行ったときは、会津まで開通していませんでした。車窓には、ひっそりとした山間や集落の光景が繰り広げられました。後で聞いた話では、その一帯は平家の落人がかつて住んでいたそうで、そうした歴史的な事情もあったのでしょう。
次回は、コメントへの返事。
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