将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2010年5月10日 (月)

漫画家・さかもと未明さんを「と金人脈」で取材

さかもと未明さんを取材

私は将棋専門紙の『週刊将棋』(駅売店で発売)で、将棋を愛好したり関連がある著名人を紹介する「と金人脈」というコラムを、1年以上にわたって連載しています。

作家・政治家・俳優・歌手・スポーツ選手などと職種に分けた構成にし、これまでに山口瞳、渡辺淳一、田中角栄、菅直人、渡辺徹、吉永小百合、前川清、松任谷由実、長嶋茂雄、杉山愛らが登場しました。中には意外な顔ぶれもいますが、いずれも将棋や棋士と縁がある人たちばかりです。私は実際に会ったり話したことを元に書いています。私が30年以上前に撮った、長嶋茂雄、吉永小百合が将棋を指した珍しい写真も紙面に載せました。

先日、「と金人脈」の取材で漫画家・さかもと未明さん(写真・右)と会う機会がありました。未明さんは熱心な将棋愛好家で、定期的に棋士から指導を受けています。

未明さんは主にレディースコミック誌で活動し、小説・エッセイの執筆、テレビの情報番組出演(日本テレビ系『スッキリ!!』)と、幅広く活躍しています。そのほかに杉本彩、川島なお美らの芸能人との交流、趣味のジャズボーカルと、多彩な日々を送っています。

そんな未明さんと将棋との出会いは、漫画の取材で将棋会館を訪れた3年前でした。そして偶然の縁によって、女流棋戦の観戦記者を引き受けたのです。駒の動かし方もよく知りませんでしたが、紹介された島朗九段に基本から習うことにしました。

女流棋戦の対局観戦では、対局者を関係者と思い込んで記念写真を撮ったり雑談したら、「対局前なので集中していいですか」と言われて初っ端から失敗しました。しかし、初めて見た女流棋士たちの気合いあふれる戦いに感動したそうです。真剣な表情にも魅力を感じ、自分もこんな顔で仕事に取り組みたいと思いました。

未明さんは観戦記者の体験によって、将棋の楽しさと棋士の魅力に引かれたそうです。何事も三日坊主というのに、将棋だけはその後も続けていきました。自分で楽しむだけでなく、出演するテレビ番組や自身のブログで、将棋の楽しさを語って世間にアピールしています。また、ある女流棋戦の個人スポンサーとして女流棋士たちを応援しています。

私は未明さんへの取材後、平手の手合いで将棋を指しました。未明さんは矢倉囲いに玉を固めると、銀を中段に進めて1筋の端から攻め、1筋から破ると飛車を敵陣に侵入させました。理想的な指し方で、最後は金打ちの王手で私の玉を詰めました。

未明さんは後日、「田丸先生は私が勝てるように指してくれました。島先生の厳しい刺激的なレッスンも楽しいけど、たまにこんな風に優しく指していただくとすごく楽しい」とブログに書きました。私がメールで「将棋は簡単に上達しません。一歩一歩〈亀〉のように進んでいってください」と激励すると、未明さんから「亀でよいなら良かった。今後も生涯の趣味として、将棋を真面目に続けます。将棋には礼節で学ぶことが多いです。勝負に真摯な棋士の方々を心から尊敬しています」との返信メールがきました。

次回は、名人戦第3局と熊本での大盤解説会。

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