九州、東北での「親子将棋教室」の空き時間に観光
2月から3月にかけて、「親子将棋教室」の指導で九州、東北に行きました。仕事は半日で終わったので、空き時間にちょっと観光しました。
2月下旬に九州・大分に行ったとき、地元の友人が車で案内してくれました。友人には高さと長さが日本一という「九重“夢”大吊橋」を勧められましたが、私は以前から行ってみたかった「豊後竹田」を希望しました。
豊後竹田はひなびた雰囲気の城下町です。作曲家・滝廉太郎が幼少時を過ごした地で、近くには名曲「荒城の月」のモデルになった城跡があります。私たちは滝廉太郎記念館、岡城跡、隠れ切支丹の洞窟礼拝堂を回り、帰りがけにお目当てにしたある滝に寄りました。
写真は「原尻(はらじり)の滝」で、幅120メートル・高さ20メートル。観光地図には東洋のナイアガラと記されていましたが、もちろん本場の大迫力とは格段に違います。ただ華厳の滝のような山間の滝とは違い、平地にあるのが特徴です。民家、田畑、道路に添って流れる小川が急に落ち込むのです。滝の周囲を散策でき、柵がないので落下地点まで近づけます。何か不思議な光景でした。
3月上旬に東北・秋田に行ったとき、ぜひ乗ってみたいローカル線が「五能線」(五所川原―能代)でした。日本海の海岸線を車窓から見る景色は、とても美しいそうです。最近は水森かおりの歌謡曲の題名にもなり、人気の観光コースとして知られています。
私は午前の将棋教室を終えると、秋田から在来線に乗って五能線・始発駅の能代に行きました。時間的に終着駅・五所川原は無理ですが、途中駅の深浦まで行くつもりでした。海岸線は十分に堪能でき、日本海に沈む夕日を眺められるかもしれません。しかし観光シーズンではないので発車は2時間後で、乗車すると宿泊する秋田に帰ってこれません。
しかたなく五能線の乗車はあきらめ、初めて訪れた能代市内を散策しました。日曜の午後なのに人出はまばらで、地方の市街に多いシャッター商店が目立ちました。30分ほど歩くと、東京ドームの20倍もある「風の松原」という広大な松林に着きました。当日の気温は5度以下でしたが、松林の中は日本海の浜風が遮られて意外と寒くなかったです。
能代駅前のうどん屋に入りました。細身の「片栗うどん」と漬物が絶品で、熱燗の酒によく合いました。店主や地元客の素朴な人柄もよかったです。列車の発車時刻が迫って30分ほどで出ましたが、能代にまた行ったらゆっくり過ごしたいと思った店でした。
空き時間を利用した気が向くままのローカル線の乗車と知らない街の散策。こんな「スロートラベル」も、けっこう楽しいものでした。将棋でいえば、定跡を離れた不定型の指し方でしょうか…。
次回は、今年度最終戦の中村太地四段との竜王戦。
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