将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2010年1月25日 (月)

青森・三沢の「親子将棋教室」で楽しみながら子どもたちに指導

青森・三沢の親子将棋教室で指導
私は先週の週末に青森県三沢市を訪れ、「親子将棋教室」で子どもたちに指導しました。写真は、会場から見た街の光景。平年は雪があまり降らないそうですが、3日前の雪で少し積もっていました。昼の気温は晴天でも零下で、さすが北国だと実感しました。その代わり魚介類がとても美味しく、地元将棋関係者との懇親会で出された、津軽海峡産の本マグロとウニは絶品でした。

将棋連盟は昨年秋から今年3月まで、全国各地で地元支部と協力して「親子将棋教室」を実施しています。指導を務める棋士たちは、手分けして各地に出向いています。私は昨年11月の長野・飯田に次いで2回目。今回は伊藤能五段と同行しました。

三沢の将棋教室には、主に小学生の親子ペア(約30組)が参加し、女の子も何人かいました。今回は大盤による講義は省略し、多面指しの指導対局をしました。「コ」の字形にテーブルをセットした中に私が入り、周りの5人と同時に指す形です。指導対局では「駒落ち戦」が一般的ですが、子どもたちが希望すれば「平手戦」にも応じました。普段からよく指している将棋のほうが、力を発揮しやすいと思ったからです。

上級者の棋力は1級ぐらい。矢倉、四間飛車などの定跡を知っていて、狙いを持って指します。私はそれに応じて手加減し、攻めさせたり反撃したりの攻防を繰り広げました。

子どもたちの半数以上が、駒の動かし方をやっと覚えた程度でした。中には、駒を取られる手を指したり、意味不明の手を指したりします。まあ、仕方のないことです。私はそんな場合、「それは取られるよ」「歩を使ってごらん」「いい手があるよ」などと教えながら、わざと悪い手を指して負けるように指します。

私は子どもたちへの指導対局で、正しい指し方を教えながら、棋力によっては、いい手を指させて勝たせ、誉めることにしています。将棋の面白さを、勝つことで知ってもらいたいからです。ただ両方(教える・誉める)の手綱の引き具合が微妙で難しいです。学校教育や子どもの躾でも、同じことがいえるかもしれません。

今回の将棋教室では、私は子どもたちと一緒に楽しむ気持ちで教えました。その気持ちが伝わったのか、席が空くと次から次へと「お願いします」と言っては盤の前に座り、楽しそうに指していました。同席した保護者の方も、ひとつのことに集中している我が子の姿を見て満足そうでした。当日は保護者の方とも含めて20局ほど指し、勝ったり負けたり。平手戦では、初級者には負けました。

じつは、この「親子将棋教室」は麻生政権の置き土産でした。昨年の補正予算で文部科学省が主催する伝統文化支援事業が計上され、その中に将棋(囲碁も)が入ったのです。現下の鳩山政権でも、本予算で「仕分け」されずに継続してほしいと願っています。

次回は、一流棋士の証となる条件。

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コメント

いつも楽しくは意見させて頂いています。
遠く北国まで足を運んでの将棋指導、ご苦労様です。
田丸八段の、心のこもった指導情景が目に浮かびます。
共通の話題で、親子の会話も弾みます。
将棋を通じて礼儀正しい子が育って欲しいです。

私も、予算仕分けされないことを願っています。

投稿: 宮ちゃん | 2010年1月25日 (月) 12時34分

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