将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2009年12月31日 (木)

来年はトラ年の年男で、3回目の「成人式」を迎えます

2009年を振り返ってみて、私は38年目の棋士人生でひとつの区切りをつけました。それが「フリークラス」への転出でした。

順位戦という「出世レース」(トップが名人)に参加しないフリークラス棋士は、状況によって立場がそれぞれ違います。私の場合、会社員に例えてみると「正社員」から「有期社員」に変わった形です。基本の収入は少し減りますが、一定期間の現役延長が可能なのです。また、竜王戦を初めとしたほかの棋戦には出場できます。

私は前期C級2組順位戦で10連敗し、2回目の降級点を取りました。59歳の私が今期順位戦に参加したら、たぶん成績不良で3回目の降級点を取ることになるでしょう。すると規定によって、60歳で引退となります。しかし、その前にフリークラスに転出すれば65歳まで現役を続けられます。つまり私は「待遇」よりも「雇用」を自ら選択したのです。一般社会でもよくある話です。

フリークラス棋士制度については、いずれブログのテーマにして詳しく説明します。

私はトラ年で年男。5月に60歳となります。正直なところ、自分が「還暦」を迎えることに実感がありません。将棋はかなりがたが来て、指した直後に悪手と気付くようなことがあります。しかし体調面では、連日のお酒をおいしく飲め、趣味のテニスを何時間しても疲れません。まあ、3回目の「成人式」を迎えるような心境です。

とは言え、60歳となれば人生の「残り時間」はそう多くありません。現役棋士としての残り時間もあと数年間です。それだけに、限られた時間を有意義に使いたいとの思いを強く抱いています。残り時間を意識したこともない30代40代のころは、逆に無駄な時間を費やしていました。

私と同じ1950年生まれの各界著名人は、次の方々がいます(敬称略)。東尾修、姜尚中、中沢新一、見城誠、伊集院静、佐々木譲、森田正光、生島ヒロシ、久石譲、森田芳光、坂東玉三郎、萩原健一、館ひろし、神田正輝、奥田瑛二、大和田獏、鹿賀丈史、滝田栄、来生たかお、梅沢富美男、三遊亭楽太郎、志村けん、綾小路きみまろ、島田洋七、吉永みち子、残間里江子、由美かおる、麻美れい、久野綾希子、市毛良枝、イルカ、和田アキ子、ジュディ・オング、八代亜紀、中村美津子など。

いずれの方々も精力的に活動して光り輝いています。私もあやかりたいものです。ちなみに、これらの中で将棋愛好家は、志村けん、森田正光、来生たかおです。

今年10月に始まったこのブログ。多くの方に見ていただき、とてもうれしく思っています。来年もよろしくお願いします。ではみなさん、良いお年をお迎えください。

次回は、1月5日の「指し初め式」について。

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コメント

電車の中など、移動中に読ませて頂いています。
棋士の生の気持ちが込められているので、将棋界が身近に感じられるようになりました。
今年一年お疲れ様でございました。来年も楽しみに読ませて頂きます。

投稿: ガスパル | 2009年12月31日 (木) 14時52分

あけましておめでとうございます。
遠山ブログから遊びにきました。将棋をはじめて初めてプロの先生と対局
したのが、新宿将棋センターで二枚落ちで田丸八段で大変印象に残っています。駒を並べる舞うような美しさはには感動しました。昭和47年頃です。

ますますの活躍期待しています。

投稿: オンラインブログ検定 | 2010年1月 3日 (日) 01時12分

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