将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2017年1月 4日 (水)

謹賀新年。2017年の将棋界は激動の年になりそうです

【追記・1月10日 日本将棋連盟のホームページの「将棋コラム」の欄に、私こと田丸昇九段のインタビュー記事が載っています。前編のテーマは「兄弟子の米長邦雄永世棋聖との思い出の一局」、後篇は「若手棋士時代のエピソード」。】

私こと田丸昇九段は昨年の10月25日に引退して以降、指導や執筆などの仕事が立て込んで忙しく過ごしてきました。現在も、3月に刊行予定の技術書の執筆で正月返上の日々です。そんなわけでブログの記事の更新が2ヵ月ぶりになってしまいました。

10月12日に発覚した三浦弘行九段の「将棋ソフト不正使用」の問題については、将棋連盟から委嘱された「第三者調査委員会」(元検事総長など3人の法律家で構成)が12月26日に調査報告を発表して一区切りつきました。

その骨子は「対局中に不正行為に及んでいたと認める証拠はない」というもので、三浦九段の無実が証明されました。また、三浦九段の公式戦出場停止処分(昨年の12月末日まで)を決めた将棋連盟(会長・谷川浩司九段)の常務会については、「当時は疑惑が強く存在していて、三浦九段が竜王戦7番勝負に出場した場合、大きな混乱が生じたことは必至だった。常務会の判断はやむをえなかった」として、理解を示しました。

第三者調査委員会が2ヵ月に及ぶ調査の結果、三浦九段の対局中の言動などについて「白」と判断したことは、連盟の会合で三浦九段を擁護する立場で訴えてきた私としては評価したいと思います。しかし常務会の判断を「やむをえなかった」とした見解には疑問を持っています。

とにかく第三者調査委員会の報告で、一連の問題が決着したわけではありません。今後は、三浦九段の公式戦復帰への道筋と甚大な不利益の補償、常務会や関係者の責任など、連盟の内部で検証すべきことは多々あります。

三浦九段の師匠で私の兄弟子の西村一義九段とは、たまに連絡を取り合ってきました。三浦九段の消息について、「かなり落ち込んでいる」と聞いたときはかなり心配しました。しかし12月27日に開いた記者会見に出席して公の場に久しぶりに登場した三浦九段を見て、思った以上に元気そうだったのでほっとしました。また今年の1月3日には、地元の群馬県高崎市で行われた「YAMADA子ども将棋大会」に出席し、ファンの人たちに挨拶して笑顔を浮かべました。

2017年の将棋界は、5月に理事選挙が行われることもあって、棋士たちの間でいろいな動きがあると思います。三浦九段の問題もからめて激動の年になりそうです。

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2017 01 04 10 28 49 | | コメント (21) | トラックバック (0)

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