将棋棋士 田丸昇の と金 横歩き

2017年8月 8日 (火)

お天気キャスターの森田正光さんと竹俣紅女流初段との記念対局

お天気キャスター

7月30日に東京・渋谷の東急百貨店で開催された「将棋まつり」で、お天気キャスターの森田正光さんと竹俣紅女流初段の記念対局が行われました。森田さんはアマ三段の棋力があり、以前は街の将棋クラブに通って腕を磨いていました。

記念対局の手合いは飛車落ち。下手の森田さんは右四間飛車の定跡を用いて攻め立て、竹俣女流初段に対して終盤で勝利寸前の形勢になりました。しかし自玉の簡単な5手詰めをうっかりして逆転負けを喫しました。いったん詰めろを受けておけば必勝でした。

お天気キャスター

局後の大盤解説の光景。左から森田さん、解説を務めた私こと田丸昇九段、竹俣女流初段、聞き手の里見咲紀女流初段。

じつは森田さんは2008年、小学4年生だった竹俣さんと会ったことがありました。場所は朝日小学生新聞が催した作文コンクールの表彰式でした。全国から寄せられた約3万の作文の中からまず30点がノミネートされ、選考委員の森田さんらによって決められた高学年の優秀賞(3人)に竹俣さんが選ばれたのです。将棋に夢中になっていた竹俣さんに、祖父が温かく激励する内容でした。森田さんと竹俣さんは思いがけない形で9年ぶりに再会して、とてもうれしそうでした。

記念対局の後には、森田さん、佐藤天彦名人、田中寅彦九段、田丸九段、山口恵梨子女流二段らによるトークショーが行われ、将棋とお天気の話題で話が盛り上がりました。

森田さんが「気象予報の世界では、10年以上も前からコンピューターが予報していて、私たちはそれを元に解説しています。人間は予報の精度で、コンピューターにとても敵いません」と言うと、田中九段が「ここにいる佐藤名人も今年の電王戦でコンピューターに2連敗しました」と笑いを誘いました。

森田さんは気象協会の職員を務めていた30年以上も前の頃、大山康晴十五世名人の「将棋が強くなるには、良い道具を持つことです」という言葉をかみしめていました。そこでボーナスが出たある日、都内の碁盤店へ将棋盤を見に行きました。しかし気に入ったカヤの高級盤は高くてとても手が出ません。諦めて店を出ようとすると、店主がツゲの駒も付けて半額の30万円で売ってくれると言ったのです。現金でもらったボーナスの額でぴったり買えたのです。喜んで自宅に帰ると、奥さんにこっぴどく叱られたそうです。

森田さんは2年前、「なんでも鑑定団」というテレビ番組でその将棋盤を出品しました。本人評価額は60万円でした。しかし専門家の鑑定は10万円でした。碁盤店の店主が言った九州の宮崎産というのは間違いで、中国の雲南省の産だったのです。

でも将棋盤がどこの産であれ、ずっと愛用することが大事です。森田さんはこれからも、自前の盤を使って将棋を楽しんでほしいものです。

 

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2017 08 08 14 56 57 | | コメント (3) | トラックバック (0)

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